『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』
日本に一時帰国の際は、村上春樹の本を努めて求めるようにしています。というのもこの人の本、電子書籍化されてるものがほとんど皆無だからです。なのでパリでは、キンドルで読むことができない。出版社の意向なのか、村上さん本人の主義なのか。英語版、フランス語版は、いっぱい電子書籍で出てるんですけどね(「走ることについて語る時に・・」英語版購入したけど、挫折しました・・)。
でも久しぶりの紙の読書、楽しいです。まずは、これを読みました。
半分、写真集みたいな本だし、オールカラーだし、これはキンドルじゃない方が絶対いいですね。スコットランドとアイルランドの、ウィスキー(そして少し、黒ビール)をめぐる旅のお話です。要は、呑みまくり旅行記ですね。
「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」というタイトルが、まず素敵です。
「・・・残念ながら、僕らはことばがことばであり、ことばでしかない世界に住んでいる。僕らはすべてのものごとを、何か別の素面(しらふ)のものに置き換えて語り、その限定性の中で生きていくしかない。でも例外的に、ほんのわずかな幸福な瞬間に、僕らのことばはほんとうにウィスキーになることがある。」
ウィスキーをワインに置き換えると、この幸福な瞬間、わかるな〜。「前書きのようなもの」の末尾に書かれたこの文章、そして「あとがきにかえて」の「うまい酒は旅をしない」の下りに、この本のエッセンスが凝縮しています。ここだけでも、本屋さんでぜひ立ち読みを。僕が村上春樹の文章が好きなのは、こういうところなんだと思います。
そして奥さんの陽子さんの写真も、凄くいい!
今までの人生で、ウィスキーとはあまり真面目に向き合ってこなかったけど、無性に彼の地のパブで味わってみたくなりました。
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