『バードマン』くたびれたお父さんには、特に必見映画ですよ^^
メルボルンに向かうシンガポール航空機内で観た映画のうち、最高に面白かったのがこれでした。
『バードマン』。その後ろに、「あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡」という長い副題が付きます。予備知識も何もなく、最初はよくあるスーパーヒーローものかと見始めました。何しろ冒頭のシーンから、主人公がベッドの上に浮いてましたしね。でもそれにしてはくたびれた中年だし、ブリーフ一枚の肉体はぶよぶよだし。
そのうちこれは、かつて「バードマン」というヒーローもので売れたものの、今は落ち目の映画俳優が、ブロードウェイでの再起を賭けて、難解な芝居に挑戦するという話だとわかってきます。
「バードマン」なんて映画に出ていたことは、自分のキャリアから消してしまいたい。でも人気絶頂だった頃の自分を思い出しては、陶然としたりする。なので彼にはしょっ中、バードマンの声が聴こえるし、ニューヨークの街を飛翔したりもしてしまう。
主演のマイケル・キートンの落ちぶれぶり、ダメ親父ぶり、自己チューぶりが、すごくいいんですよね。この人、実際に20年前に、ティム・バートン監督の「バットマン」に主演していて、それが観客の脳裏にちらつくことも、作り手側は狙ってるんでしょうね。
共演陣も最高で、
特にこの、エドワード・ノートン。文字通り、映画の中で大暴れです。終盤、突然存在感がなくなってしまうのは、このままだとマイケル・キートンが食われっ放しになってしまうことを恐れた監督が、シナリオを変えたんじゃないかと勘ぐりたくなるほど(笑)、目立ちまくってます。
長回しなのに、実に躍動感あふれる映像は、「ゼロ・グラビティ」の撮影監督。そして脚本・監督のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥも、同じメキシコ人。
主役より全然カッコいい(笑)、右のオジサンです。いやはや眩いばかりのメキシコの才能を、見せつけられた映画でした。
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コメント
柴田さん、オーストラリアGPの結果からなかなか立ち直れない、ムーミンです・・・こんにちわ。
今年のアカデミー賞の候補になった作品は興味深いものが多いです。「バードマン」の作品賞受賞はちょっと意外でしたけど、「ゼロ・グラビティ」の撮影監督となると是非見なくては!!
映画つながりで、柴田さんは「アダム・ゴールドバーグ」という俳優さん、ご存知ですか?
この方、某F1ドライバーにそっくりなんです。「デジャブ」という映画を見たときに私はチームに内緒で出演したのか、と思ってしまったくらい似ています。
アダムさんは「パリ、恋人たちの2日間」というコメディタッチの映画にもでています。
目のほうはその後、だいじょいぶですか?
投稿: ムーミン | 2015年3月21日 (土) 01時57分
ムーミンさん、こんにちは。
開幕戦は残念な結果に終わってしまいましたけど、去年とはクルマが全然違うことは確認できましたからね。楽しみは、後に取っておいた方がいいですよ
^^
アダム・ゴールドバーグ、あ〜確かに(笑)。僕も「デジャブ」は観たんですが、その時は気付かなかったな〜。
目は、とりあえず大丈夫そうです。昨日、50kmのトレイルで派手に転んだりしましたけど、今のところ異常はないですし。お気遣い、ありがとうございます。
投稿: ムッシュ柴田 | 2015年3月22日 (日) 09時18分