もう一度観たい、"The Book Thief"『やさしい本泥棒』
シンガポール航空の機内映画の充実度は、僕の乗ったエアラインの中では文句なく最高だと思います。日本映画だけでも20本近くあって、ましてやハリウッド映画は数えきれないほど。今回何本か観た中で、一番印象に残ったのはこの映画でした。
『やさしい本泥棒』という邦題は、う〜ん、ちょっと困ったタイトルですが、あまり気にしないようにします。ナチ政権下のドイツで、共産主義者だった母と別れ、弟と死別し、ある夫婦の元に里子に出される少女リーゼルが主人公です。
逃亡生活で学校にも行けず、読み書きができなかったリーゼルですが、未知の世界への興味は人一倍強い。そのことを知った新しい父親が、毎晩いっしょに本を読むことを始めます。
とびきり足の速いボーイフレンドもできて、リーゼルは周囲に少しずつ心を開いて行きます。
ナチ党員たちがユダヤ人経営の店やシナゴーグを襲撃した「水晶の夜事件」(クリスタル・ナハト)。広場に積み上げられた大量の本も焼却されるのですが、そこでリーゼルは焼け残った1冊の本を秘かに持ち帰る。そこから物語は、新たな展開を見せます。
一見ぐうたらで、でも芯の強い優しさを持つハンスと、夫やリーゼルを始めとする周囲の人々に、自分の気持ちを素直に伝えられないローザ。この夫婦を演じるジェフリー・ラッシュとエミリー・ワトソンの演技が、本当に秀逸です。
そして何よりも、愛らしさの中に強さを秘めた少女を演じる、主演のソフィ・ネリスが素晴らしい。製作時13歳だったそうですが、さまざまな出来事を経験して、どんどん成長して行く、その成長ぶり変貌ぶりが、あたかも彼女を数年間追い続けたかのようなのです。機内で2回繰り返して観ましたが、大画面でもう一度観てみたいです。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- しっかりドカ食い!の中国GPブログその2です〜(2018.04.18)
- 中東バーレーンから上海へと、旅がらすでございます。(2018.04.12)
- まずはバーレーンGPブログその1です。(2018.04.07)
- TOYO Tokyo、行ってきましたよ。(2018.04.04)
- 『蕎ノ字』さん、今回も堪能させていただきました。(2018.04.01)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 素晴しい映画を2本、立て続けに堪能しました(^^)(2017.05.25)
- 『居酒屋ゆうれい』に、日本のデフレの深刻さを実感する・・。(2016.08.19)
- 追悼・巨泉さん(2016.07.20)
- 『エベレスト3D』。気力を充実させて、観て下さい。(2015.10.09)
- ピース又吉監督の『告白』、面白い!(2015.08.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
Im genuinely enjoying the style and layout of one's website. Its a very uncomplicated on the eyes which makes it a great deal much more enjoyable for me to come here and pay a visit to far more typically. Did you hire out a designer to make your theme? Excellent perform! bbgcfbdcbade
投稿: Pharmd143 | 2014年4月24日 (木) 17時19分
<共産主義者だった母と別れ、弟と死別し>
は誤解を受ける書き方かと思います。
弟が亡くなるのが先ですから。
投稿: YUI | 2014年6月22日 (日) 04時42分
Yuiさん、こんにちは。確かにそうでした。失礼しました。
投稿: ムッシュ柴田 | 2014年6月22日 (日) 10時07分
本当に泣けて涙が止まりませんでした
何回見ても全然飽きません
わt足が見た中で一番心に残り一番好きな映画です
投稿: | 2015年6月15日 (月) 15時20分
通りすがりの者ですが『やさしい本泥棒』。私もWoWoWで放映されたのを先日、観ました。賢くも愛らしい少女の、言葉や本への情熱がよく描かれていますね。いついかなる時代であれ、本を焼くものには未来はない。短い感想を http://tacraman.jp/blog-entry-155.html に書きました。
投稿: ひろぽん | 2015年7月25日 (土) 11時01分
ひろぽんさん、コメントありがとうございます。もう1年以上も前に観た映画ですが、また見直したくなりました。
投稿: ムッシュ柴田 | 2015年7月28日 (火) 16時37分