モロッコには､古代ローマの遺跡だってある。

　しかも素晴らしい保存状態の遺跡でした。

　ただしアクセスはあまりよくなく､フェズからだと70kmほどの道のりです。最初はメクネスまで鉄道で行って､そこからタクシーをチャーターしようとしたのですが､2家族7人が乗れるミニバスがフェズ往復で１日600ディラム（約6000円）だというので､そちらに即決。

　山道を1時間半ほど走ると､丘の上にヴォルビリス遺跡が見えて来ます。

　ウィキペディアによれば紀元30年ごろに建造され､その後300年ほど栄えたそうな。最盛期には人口2万人ほど。ローマ人とベルベル人（北アフリカの原住民です）に､居住区が分かれていたと。

　で､ローマ人居住区の住宅の多くは､こういうモザイクの装飾が施されていたそうです。

　精巧､精緻､色鮮やかな細工に､思わず見入ってしまいます。

　まだ発掘の真っ最中だからか､何軒かのモザイクはかなり近くまで寄って見ることができます。

　こんな感じです。

　これほど細かいモザイクが､2000年近くも保存されていたことに驚嘆。

　一方こちらは､古代ローマ都市の定番である､お風呂の跡です。

　カラカラ帝の凱旋門。

　集会場などに使われていたバジリカ。

　この一帯は肥沃な土地で､そこで取れたオリーブオイルと小麦をローマ本国に輸出し､繁栄した都市だったとのこと。ここから海まではかなりありますが､運搬用の道路もさぞかしきっちり整備されていたんでしょう。さらに当時は石造りの水道橋が延々と水源まで延びていて､この町まで飲料水を引き入れていたと。大したもんだ､ローマ帝国。

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