モリエールって、こんなに大爆笑だったっけ?
娘の学年(日本風に言うと小学校4ー5年)が授業の一環で芝居を観に行くというので、父兄付き添いで出かけてきました。
場所はパリ10区にある、「テアトル・ド・ジムナーズ」。200年近く前に立てられた由緒ある劇場で、最初は劇団員の訓練のためだったとのこと(それでGymnase「体操場、訓練場」という変な名前が付いているのかも)。
内部の800席は、騒ぎたい盛りの子供たちで満杯。開幕を待つ間、いくら先生や僕たちが注意しても、制御不能状態になってました(あ〜声が枯れた)。一体こんな状態で、古典劇のモリエールなんか演れるのかと他人事ながらちょっと心配になってると・・、
衣装を身に着けた役者が一人二人と舞台に出てきて、準備運動を始めたり、ボソボソおしゃべりを始めたり。客席の方は、いっさい無視。そのうち演出家らしきおじさんが登場して、役者に注文をつけ始める(この人も、もちろん役者の一人)。開演直前の様子を、演じてるわけです。案の定、騒ぎ放題だった悪ガキたちも、「何だろう」と興味を持ち始めて、少しずつ場内が静かになって行く。
そして改めて緞帳が下がって、すぐに上がって、モリエールの始まり始まり。みんなシーンと静かになって、食い入るように見始めました。子供たちの扱いを、よく心得てるわ。
そこから大団円までは、あっという間。今回の演し物は、『いやいやながら医者にされ』という、彼の代表作のひとつだったんですが、いやこれが面白い。ほとんど吉本並みのドタバタ喜劇で、子供も付き添いの大人たちも大爆笑。途中、「こんなの子供に見せていいの」というちょっと際どいエロチックなシーンもありましたが、「わー」「きゃー」という悲鳴、笑いとともに無事通過。
名もない役者たちなんでしょうが、みんな本当に達者でした。特に主演のニセ医者のおじさん(中央の黒服です)。400年も前の作品で、時々聴き取れない言い回しがあるものの、それでも十分に理解できるし、全然気にならない。
だいたいフランス語って、日本語に比べると時の変化が少ないんですよね。モリエールとほぼ同時代の日本の劇作家というと近松門左衛門が思い浮かびますが、たとえば『曾根崎心中』のセリフを聞いて、すんなり100%理解できる自信はないです。
それにしても昔々、コメディ・フランセーズで同じ演し物を見た時、何だか古くさいイメージばかりで、こんなに面白いと思わなかったけどな〜。
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