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2010年10月28日 (木)

何とかしてよ、Mr.コンスタン!

 このブログでレストランの話をする時は、これまで気に入った店だけを扱って、外れだった場合はただ単にここでは触れないようにしてきました。

 残念ながら、今回は例外です。雑誌やブログや口コミの評判がいいので、「ココット」という店に出かけました。正式な店名は、Les Cocottes de Christian Constant。パリ市内に何軒もの個性的なビストロを出店し、そのいずれもが高評価を得ているクリスチアン・コンスタンが、3年ほど前に開いた煮込み料理の店です。

 「ココット」というのは、鉄製の煮込み料理のこと。ここでもストウブ社製の鋳物の鍋で、料理が供されます。

 全席カウンターで、予約はできない。昼過ぎには満席になってしまうというので、12時過ぎに到着しました。店内はシンプルな内装ながら、いい感じです。でも店に入ると、ひんやりとした雰囲気。何て言うか、「入って来るな」と言われてるような。客がほとんどいないせいかと思ったのですが、そうじゃなくて店員がものすごく無愛想なのです。

 挨拶などもちろんされず、「何人?」「二人?」「ほら、そこ」と、座る場所をアゴで図され、メニューをパサッと投げられて・・。ブスッとしてるのは彼女だけでなく、店内にいる全員が笑顔など絶対に客に見せるものかという感じ。注文を取りに来たお兄ちゃんも、「何にする?」と訊くだけ。僕らだけなのかと思って周りを見ると、他の客にも同じような応対でした。フランスのサービス業のぶっきらぼうさには相当忍耐力が付いていたはずでしたが、これはちょっと限界を超えている。

 でも料理は、おいしかったんだよね・・。

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 前菜のカボチャと栗のポタージュ、そして茄子のキャビアを敷いた上に、ツナを載せた一品。ただしポタージュは日本人にはやや冷めてたので、さっきのウェイトレスに恐る恐る、「この温度が普通なの?」と質問。そしたらフンという顔はそのままに、一応温め直してくれました。

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 続いてメインは、ジャガイモをくりぬいた中に香ばしい豚足を詰めたのと、鱈とレンズ豆をスパイシーなソースで煮込んだもの。

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 ワインはバンドールAOCを1杯ずつ。

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 デザートは、プルーンの入ったクラフティ。ちなみに鍋敷きには磁石が仕込んであって、こんなふうに鉄鍋といつも一心同体。いいアイデアです。

 1時間もすると店内はほぼ満席となり、店員たちにも少しずつ笑顔が出てきました。それを眺めながら嫁と、「開店直後にあんなに無愛想だったのは、『またこれから働くのかよ、やってらんねえよ』という不機嫌が、正直に顔に出たのでは」という結論に達しました。

 でもいくら料理が美味しくても、雰囲気が悪いと本当にぶち壊しになってしまいますよね・・・。

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 一応、メニューです。



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