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2009年11月14日 (土)

これが貴腐葡萄、ナノダ。

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 晩秋の、ソーテルヌ村です。ボルドーには何度も来てますが、ここまで足を伸ばしたのは初めてでした。ボルドーからは60kmほどですが、他の著名な産地からはけっこう離れていて、ついでにちょっとという感じじゃないものですから(地図は、こちら)。

 周囲は松林だらけで、いわゆるボルドーのイメージとは違うところも、違和感を感じるところです。

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 でも村に入ると、見慣れた葡萄畑が広がる。ブルゴーニュと違って平坦です。地面は砂利。雑草ぼうぼう。葡萄の木々の紅葉が、本当に美しい。

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 今回はうちの近所に住んでるS家に紹介していただいて、老舗のシャトー・スデュイローchateau Suduiraudを訪問しました。日曜日というのに、わざわざ案内の女性が待っていてくれて、一同恐縮。

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 この部屋に入るのは、決死の覚悟でしたヨ。というのも発酵し始めた葡萄ジュースが、盛大な音を立てて、炭酸ガスを発生しているのです。数分もいると、頭がボーッとしてくる。今までの醸造所訪問では、なかった経験でした。糖度が異常に高いために、発生する炭酸ガスの量も凄いのか。

 それにしても従業員は、マスクもつけずに大丈夫なんだろうか。と、案内の人に言うと、「そお?」と笑ってましたが。

 ちなみに手前に見えているだけで、2009年収穫分。スデュイローはソーテルヌでは大手ですが、それでもたったこれだけです。

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 訪れたのは10月下旬ながら、収穫が完全に終わったのは、ほんの数日前とのこと。9月上旬から始めて、葡萄の熟成を待ちながら、少しずつ手摘みして行く。それでこんなに、時間がかかるのです。

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 収穫し残った、貴腐菌の付いた葡萄。このカビによって葡萄が水分を失い、糖度を増す。それを醸造、熟成させて、あの貴腐ワインができると。見た目はただの黴びた葡萄で、口に入れるのはちょっと抵抗があったけど、とてもおいしかった。単なる干しぶどうとは、また違った風味と香り。それにしても昔の人は、よくこんなものからワインを造って見ようと思ったものです。

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 2009年は天候にも恵まれ、偉大なビンテージになるだろうとのことでした。

 


 









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コメント

この旅行の頃にパリを離れ、日本に帰ってきました。なつかしい、そして貴腐ワインらしい?甘美な話ですね。行きたかった。。。!皆さんお元気ですか。東京の生活はだいぶ落ち着きましたが、今週末に船便が来て、ワインも着きます。!

投稿: うようよ | 2010年1月 3日 (日) 18時02分

うようよさん、こんにちは。明けましておめでとうございます。
昨晩、日本から戻ってきました。相変わらず、外は氷点下、部屋の中は暑くて乾燥し過ぎてるパリです。
今年も、よろしく!

投稿: ムッシュ柴田 | 2010年1月 4日 (月) 00時15分

うようよさん、ワイン到着、おめでとうございます。
それにしても、私も参加させていただきたかった、このツアー。本当に羨ましい。
2009年はもしかしてフランス全土でワインの当たり年なんでしょうか。

投稿: minmin | 2010年1月 8日 (金) 22時36分

ブルゴーニュも、「今世紀最高の年」などという話を仄聞します。楽しみですね〜。去年のレジスおじさんの葡萄収穫に参加された方々が、本当にうらやましい。20年後も、「この葡萄をワシが摘んだ時は・・・」なんて、現物を前に自慢できるわけで。

投稿: ムッシュ柴田 | 2010年1月 9日 (土) 06時17分

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