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2009年6月

2009年6月28日 (日)

ベルモンドに、会った。

 この週末は、娘のバレエの発表会に出かけた。バレエのお稽古はフランスの場合、決して高くない。発表会も日本のように、チケットを余分に買わせたり、なんてことはない。質実剛健。今回の会場もパリ郊外の、町の公会堂みたいな、場末感漂うホールであった。

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 前から3列目のパイプ椅子に座って、他のお父さんやお母さんともども開演を待っていると、会場内が小さくどよめくのが聞こえた。思わず後ろを振り向くと、何とまあジャンポール・ベルモンドが入って来るではないか。

 皆がどよめいたのは、フランスを代表する大スターが、こんなところに出現したという驚きと、あまりに年老いていたことへのとまどいがあったと思う。実際、病による半身マヒもあって、左手の杖を支えに、歩くのもやっとという風情であった。

 奥さんらしき女性に支えられた彼は、ゆっくりゆっくりこちらの方に向かってきて、僕の真後ろの席に着いた(!)。これはもう、話しかけるしかない。座る時にわれわれの方に、にっこり「ボンジュール」と言ってくれて、感じ良さそうだったし。

 何て言って声をかけようか、頭の中でグルグル考える。きっと孫娘のバレエを観に来たんだろうから、それをきっかけにしよう。そう決めてベルモンドの方に振り向いた瞬間、「もしかして、娘かも?」という思いがひらめき、「今夜は、娘さんのバレエですか?」と質問を変えた。

 ・・・当たりだったみたい。ベルモンドはうれしそうに、娘のことを話し始めた。御年76歳の彼が6歳の愛娘の晴れ姿を見に、わざわざ足を運んできたのである。その後、僕たちは、F1ドライバーだった息子ポールのことなども話し合った。開演前のわずか数分だったけれど、「勝手にしやがれ」「気ちがいピエロ」の名優の息遣いを間近で聴けた、至福の時間だった。

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 我ながらものすごく、うれしそうな表情です・・・。

 

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2009年6月24日 (水)

美味い!安い!日本人シェフのフレンチ。

 久しぶりに美味くて安く、素材にこだわる真っ当なフレンチを堪能した。

 場所は、レピュブリック広場の近く。庶民的な界隈だった頃の名残りが、まだそこかしこに残っている辺りだ。

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 オーナーシェフの七海(ななうみ)さん。ホテル西洋銀座を始め、日本とフランスのいくつかのレストランでシェフを務めたのち、去年念願の自分の店を開いた。

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 こじんまりとした店内。以前もレストランだった店を借りて、内装はほとんど変える余裕がなかったとのこと。カウンターにいるのが、息子さん。足を痛めているため、彼女が臨時のウェイトレスを買って出ていた。

 この左奥に、ちょっと信じられないほど小さな、ガラス張りの厨房がある。せいぜい、3畳ぐらい。そこに七海さんが一人きりでこもって、すべてを作り上げる。

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 昼の定食は、前菜とメイン、デザートの3品で19ユーロ(約2400円)。メイン+どちらか1品なら、15ユーロ(約2000円)。外食が異常に高いパリにあって、この値段は驚異的だ。

 しかも、この味・・。僕の選んだ前菜は、ウフ・ムレットというフランス風温泉卵に、酸っぱい味付けのレンズ豆のサラダ。シンプルな料理ながら、下ごしらえもソースも手間をかけて作っているのがわかる。

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 嫁が注文したのは、砂肝のサラダ。やはり他の店で食べるのと違って、ひと手間よけいにかかってる感じ。砂ギモとサラダの新鮮さにこだわってるのも、日本人シェフらしい。でも味付けにメリハリが効いてるところは、日本人シェフらしくない。澄んでいる。これも、好感度高し。

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 メインはバヴェットという、牛のちょっと安い部位のステーキ。これまた普通の店では、固くて食べられなかったりする。でもこれは噛むほどにジューシーで、味わい深く、文句なし。

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 ワインは南西部ベアルンのロゼ。さわやか、かつコクがあって、サラダにも肉料理にもよく合った。これが29ユーロというのも、良心的。

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 七海さんには今から8年前、娘の1才の誕生日をとあるレストランで祝ったことがあって、お世話になっていた。その時は特別にケーキを作ってくれ、料理同様感激したものだ。「毎年ここで祝いたいね」と言いながら、それっきりに・・・。今度は七海さん自らの店での、8年ぶりの再会となった。

 次は夜のお任せコース(40ユーロ)というのも、ぜひ試してみたい。

Sept'n

DRESSE : 6, rue Rampon, 75011 Paris
TEL : 01 43 55 62 32
METRO : Republique (Ligne3 ,8, 11) 
営業時間 : 11:30-14:30 19:30-22:30 (金・土のみ23時まで)
休日 : 日曜日 席数 : 24席

 

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2009年6月21日 (日)

「跳ね馬亭」のパスタ。

 「本田食堂」とわれわれが呼び、グランプリの週末には毎日のようにお世話になっていた食事処が、昨年末の本体の撤退とともに消滅してしまった。

 そのため今年は、跳ね馬亭に通うことになった。

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 去年の9月にも紹介したけれど、この人がシェフのヴィンチェンゾ。隣は奥さんの、ヨシコさんだ。

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 まずこれは、ジェノヴァ風ソースで和えたパスタ。何という種類なのか、知りません・・・。

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 続いて、小さく切って炒めたベーコンとトマトソースのパスタ。太〜くて、シコシコしたマカロニ。

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 これはピリ辛の、ペンネ・アラビアータですね。

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 こちらは、フュジーリというんだったか。単に生トマトとオリーブを和えたシンプルな味付けながら、実においしい。

 来るたびに、一度として違うパスタが出たことがなく、いったいこの人はいくつのレパートリーがあるのかと思ってしまう。しかもすべて、もうひと皿食べたくなるほど、後を引く・・。

 厳しい状況が続きますが、こういうところは幸せです。



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2009年6月18日 (木)

「薔薇の村」ジェルブロワ。

 ゴッホ終焉の地、オーヴェール・シュル・オワーズに向かう前に、こちらにちょっと立ち寄った。
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 パリからほぼ北西に100kmほど行った、ジェルブロワという小さな村。もう、ノルマンディ地方の入り口だ。6月になると薔薇の花が咲き乱れるところから、「薔薇の村」と呼ばれている。(場所は、こちら)

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 なんちゃって。この村の存在は最近までまったく知らなくて、「旅」という雑誌のノルマンディ特集で教えてもらったのでした。

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 薔薇もきれいだけれど、一軒一軒の民家の保存状態も素晴らしい。完全に、中世にタイムスリップした気持ちになれる。

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 これだけみごとに薔薇を咲かせるのは、相当な丹精が必要なことでしょう。

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 まだガイドブックにもほとんど紹介されてないのに、村の入り口には大型の観光バスが4台止まっていた。しかもそれが全部、日本人観光客のツアーバス。おそるべし、ジャパニーズツーリスト・・・。

 



 


 

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2009年6月16日 (火)

ゴッホ終焉の地にて。ーその2ー

 オーヴェール・シュル・オワーズの町役場の向かいにある、「オーベルジュ・ラヴー」。この屋根裏の10平方mにも満たない部屋で、ゴッホは最後の60日間を過ごした。

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 外は夏祭りで、賑わっている。

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 対照的に旅籠屋の中は、ひっそりと静まり返っていた。天窓の隙間から、楽隊の音色がかすかに聞こえる。

 ゴッホが自殺を図ったのは、110年近く前の7月27日だった。6月の今の時期には、すでにこの町に滞在していたことになる。

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 下のカフェでエスプレッソを注文したら、こんな昔ながらのグラスで出してくれた。

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 ゴッホの描いた教会は、修復工事の真っ最中だった。

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 そこから炎天下を、麦畑へと上って行く。おそらくゴッホが最後に見たのも、これとそう変わらない風景だったはずだ。

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 この麦畑のどこかで自殺を図り、重傷を負ったまま、旅籠までの1kmあまりの道のりを戻って行った。実際に歩いてみると、ずいぶん遠い。その姿を想像すると、十字架を背負ったイエスに、重なり合わないでもない。

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2009年6月14日 (日)

ゴッホ終焉の地にて。ーその1ー

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 約100年前の、ピクニックに興じるフランス人たちの写真・・・。

 のように、一瞬見えない?ダメ?

 これはこの週末、パリ郊外のオーヴェール・シュル・ロワーズに、久しぶりに出かけた時のスナップです。町は夏至のお祭りで賑わっていて、こういう19世紀末の衣装を来た人がたくさんいました。

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 こちらは、モネの「日傘を差した婦人」風。

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 加工前の写真です(すべて、by 嫁)。

 

 

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2009年6月12日 (金)

夕焼け、なのダ。

 夕飯から帰ってきた午後10時近く、トロカデロ広場が燃えていた。

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 このところ、ずうーっと雨続きで、今日からようやく初夏らしくなったところ(なにしろ今月の初めまで、暖房が入ってたし)。そしたらいきなり、真っ赤つ赤の夕焼けが出現したのだった。

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 急いで、エッフェル塔を見下ろせる場所まで行く。残念ながら、ついさっきまで輝いていた塔は、急速に光を失って行くところだった。

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 こんなに暗くなっても、サッカーが止められない若者たち。見える?








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2009年6月10日 (水)

クライバーン国際ピアノコンクール。

 日本人の全盲のピアニスト、辻井伸行さんが優勝したというニュースを聞いて、このコンクールの公式サイトをのぞいてみた。

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 その中では特に、出場者の演奏の模様をじっくり動画で見せてくれる、「クライバーンTV」が実によくできている(こちら)。

 この数日は仕事をしながら、予選から準決勝、決勝までのすべての演奏を、BGM代わりに聴いている。もちろん辻井さんの演奏も素晴らしいのだが、個人的には共同受賞したZhang Haochen(漢字では、どう書くんだろう)という19歳の中国人男性の、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番にしびれましたヨ。

 まだ19歳の、少年としか思えない風貌の、どこからあんな成熟した音楽が出てくるのやら。

 それからこの公式サイトのブログや、地元紙のサイトなどでは、辻井さんに対する厳しい評も載っている。お祝い一辺倒の日本のマスコミも、そういうのを少しは紹介するべきではないかな・・(たとえばこれとか、これとか)。

 今回が優勝者の一人が、史上初の全盲のピアニストだった。それに対して審査委員長が、「目が見えないのに素晴らしいとか、そういうレベルの演奏ではなかった」と絶賛していました。それに対して外部の批評家、専門家たちからは、「そういうコメントを出すこと自体、『全盲のピアニスト』という外見にとらわれている。もし出場者についてまったく事前知識がなく、当日も音だけで演奏を判断していたら、こういう結果にはならなかったのではないか」という手厳しく、かつ非常に自由な意見も出ていました。

 日本でこんなこと、書こうものなら・・・。

 

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2009年6月 7日 (日)

イスタンブール、謎の深夜営業・・。

 ただ今、午後11時過ぎ。もう土産物屋や一般の店はもちろん、ほとんどのレストランも店じまいしている。

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 ところが床屋だけは、煌々(こうこう)と明かりがついている。近寄ってみると、ちゃんと店主が客を待っているではないか。これっていったい、どういうこと?

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2009年6月 5日 (金)

ボスポラス海峡〜、夏景色ぃ〜♪(字余り)。

 無事、飛行機も到着し(^-^;、今週末はイスタンブールに滞在している。

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 夕闇迫る中、アジア側のハーレムという港からフェリーに乗り、ヨーロッパ側へと渡る。後宮を意味するハーレムという言葉と、この港町の名前がどう関係あるのか、残念ながら知らない。

 向こう岸がはっきり見えるくらいだから、ホンの20分ほどの船旅だ。でも風情があって、何度乗っても飽きない。

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 乗船したら、まずは売店に直行する。

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 冷たい海風に吹かれる身には、熱々のお茶がおいしい。これで一杯、0,5リラ(約30円)。

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 ガラタ橋とアヤ・ソフィア寺院の彼方に、夕日が沈んで行く・・・(タイトルの唄、熱唱)。

 

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2009年6月 3日 (水)

ドゴール空港にて。

 エアフラ、落ちましたね・・・。毎週のように飛行機に乗ってる身としては、あまり他人事とは思えず。

 さっきドゴール空港でチェックインしていたら、「2分間の黙とうをお願いします」というアナウンスが流れました。思わず、目を閉じました。ターミナルこそ違え、ほんの2日前の同じ空港に、家族たちが詰めかける映像を見たばかりでしたから。

 ちなみにこの黙とうは、同じ時刻にパリのノートルダム大聖堂で行われた追悼ミサに合わせたものでした。まだ機体の回収も始まっていない段階での、「追悼」ミサって・・・。遺族と呼ばれることすら、まだ抵抗があるだろうに。


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2009年6月 1日 (月)

「タイ・クラシック」というタイ料理屋。

 日本食料品店に買い出しに出かけたついでに、安くておいしいと評判のタイ料理を食べに行った。

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 外観は・・・、知らないとちょっと入るのがためらわれるかも。

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 周辺はタトゥ・ピアス屋が軒を連ね、男同士が腰に手を回してねっとり歩く、濃密な界隈だしね。

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 でも店内は清潔で、落ち着いた雰囲気だ。ウナギの寝床状になってて、この奥に同じくらいのスペースがある。

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 僕はハッタイという麺定食を注文した。これは前菜の、ベトナム風春巻き。それぞれ、果実酒のアペリチフが付くのが、ちょっとうれしい。

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 こちらは嫁の、赤カレー定食。同じく春巻きと、トムヤムクンが付く。スープはコクがあるのだけれど、辛くないのがちと残念。フランス人は辛いのが苦手な人が多いので、それに合わせてるのかもしれない。レッドカレーは、たいへん美味しい。

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 僕の方のメイン料理、ハッタイ。ちょっと甘めで濃厚な、米粉を使ったもちもちのタイ風焼きそば。これ一品で、おなかいっぱいになってしまう。

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 といいながらも、デザートにタピオカを注文。これも、けっこうでした。

 僕のハッタイ定食が15,5ユーロ(2千円ちょっと)、嫁の赤カレー定食が19,5ユーロ(約2600円)。昼に来ると、ジャスミン茶、デザートまで付いて13,7ユーロと、かなりお得になる。行くなら、昼ですね。定休日がないのも、うれしいゾ。

Thai Classic

26, rue des Lombards 75004 Paris

営業時間 12:00~15:00 / 18:30~23:00

 






 

 

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