ヤキトリ・ジャポネ。
9月から新学期が始まるフランスは、今ごろが年度末。2ヶ月後に控えた夏のバカンスを前に、父兄も子供も(それから先生も)ソワソワし出す頃である。そして例年この時期、日本の学園祭に当たる「フェット・ド・ファミーユ」という行事が、娘の学校で開かれる。
講堂では子供たちのダンスが披露され、中庭には模擬店が出る。普通のカフェやクレープ屋、それからスペイン人の父兄はタパス、レバノン人はレバノンケーキを出したりする。そしていつの頃からか、われわれ日本人は「焼き鳥スタンド」を開いている。
幼稚園2才児クラスの教室を借りて、まずは設営。お父さんたちは浴衣やハッピを着て、日本情緒を盛り上げる。上に掲げられた看板は、数年前に学校が作ってくれたもの。ブロシェット・ジャポネーズ(日本風串焼き)と書いてある。「YAKITORI」でも、通じそうだけど。
去年から普通の焼き鳥に加えて、つくねもラインナップ入りした。約20世帯の日本人家庭(それから日仏家庭も)が手分けして家で焼いてきた、父兄の手作りである。
前日の準備は、1日がかりだ。朝、指定の肉屋に各家庭10枚ずつ、もも肉を引き取りに行く。持ち帰って、1枚を14〜16コに切り分ける。それを串1本あたり5コ刺して、まず白焼き。それから特製のタレで2度焼き。これを30本作る。ウチはたまたま二人で作れたけど、それでもヘトヘトになった。
一方、つくね班は60本。つくねの方が作るのが簡単だということだけど、こちらもけっこう大変そうだ。
とにかくこれで、合計約600本の焼き鳥が出来上がる。それを当日学校に持って行って、温め直し、炊き立てのご飯の上に載せて出す。炊飯器や電気コンロも、もちろん各家庭から供出される。プラスチックの皿にご飯を盛って、焼き鳥とつくねを1本ずつで5ユーロ。円に直すと800円だから、けっこう高い。でもこれが、飛ぶように売れるのである。
正午の開店から、文字通りドドド〜っとフランス人たちが押し寄せて、1時間も経たずに完売してしまう。最後には、「ご飯だけでも」というので、タレをたっぷりかけて、タダであげたりした。これまた大好評。毎年、「今年も食べ損ねた」と恨めしそうに言われるのがツライ。しかし各家庭の生産能力は、これが限界かも。
原材料費を差し引いた純益を学校に寄付して、終了。みなさん今年も、お疲れさまでした。
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コメント
わー、懐かしいです~。看板がずいぶんと立派になりましたね。それと最近ではパパ達の活躍が、すごそう。あいかわらず好評なようで、良かったですね。お疲れ様でした!
投稿: しろみ | 2008年6月 4日 (水) 10時43分
昔の大漁旗(?)みたいな垂れ幕も、よかったですよね。そういえば、あれはもう使わないのかな。
投稿: ムッシュ柴田 | 2008年6月 4日 (水) 11時25分