ミュニュレさん家のカタツムリ。
2泊3日の駆け足で、ブルゴーニュに行って来た。
フランスは今、どこもかしこも菜の花が満開である。このところ旅行中の天気に恵まれなくて、今回も初日から降ったり止んだり。でも、いいのだ。ブルゴーニュの有名無名の造り手を、ワインの師匠であるMさんたちと訪問できるのだから。
2家族7人の旅行だし、せっかくだから1台でワイワイ行こうと、9人乗りのレンタカーを借りる。シトロエン製のミニバスだけど、もともとは商用ワゴンに3列9席のシートをくっつけただけ。だから、すごく揺れる。でもみんないっしょだから、子供たちも退屈しない。Mさんが添乗員役で、造り手とのアポ取りとか、ホテルの予約を全部やってくれた。僕は、運転手をするだけだ。
まず訪ねたのは、ミュニュレ・ジブール(Mugneret-Gibourg)という造り手。ブルゴーニュの銘醸赤ワインの中でも、名だたる畑の広がる、ヴォーヌ・ロマネ村の中にある。先代のミュニュレ氏亡きあと、娘たちがワイン作りの遺志を継いだ。そして今では、父親以上の名声を博している、などという予備知識をMさんから聞く。
Mさんは1992年から翌年までディジョンに留学していて、その時以来の再訪となる。さすがに場所はうろ覚えで、村に入ってから少し迷う。クルマを降りて探していたMさんは、ミュニュレ家を見つけるや、クルマに乗り込まずに駆け出す。ほとんど地上から30cmくらい、両足が浮いていた(!)。
迎えてくれた長女のマリ・クリスチーヌさんとMさんが、15年ぶりの再会を喜び合う。そして彼女は、われわれをまず葡萄畑へと案内してくれた。子供たちは葡萄そっちのけで、草の間にうごめく虫たちに、興味津々。
もう5月だし、青々と若葉の茂る葡萄畑を想像していたのだが、まだこんなふうに新芽が出たばかりという感じ。マリ・クリスチーヌさんも、「例年より、ちょっと遅い」と言っていた。でもだからと言って、今年が不作になるとは限らない。
地面は粘土質で、ところどころに石灰石が混じっている。
子供たちを畑に放牧し、大人だけで地下のセラーに潜る。試飲の克明的確な記録は、Mさんのブログをご覧あれ(こちら)。
造り手自身の言葉を聞きながら、作品を試飲する。たとえば画家本人に絵の説明をしてもらうような、ほんとうに贅沢な体験だった。
しかもワインの試飲の場合は、見るだけでなく、嗅覚、味覚もフル動員される。ひとつひとつ味わううちに、鈍磨し切っていた感覚が少しずつ戻ってくるのがわかった。ごくかすかな香りが嗅ぎ取れたり、「乾いたタンニン」というマリ・クリスチーヌさんの表現が、実感を伴って理解できてくるのだ。
それにしても残念だったのは、試飲したワインのどれも、もはや購入することができなかったこと(涙)。ボルドーのように、年間何10万本も作ってないので、すぐに売り切れてしまうのである。今後販売予定のエシェゾー2006やリュショット・シャンベルタン2005も、ひとり1本しか譲れないとのことだった。
畑での遊びに飽きた子供たちを、マリ・クリスチーヌさんは今度は庭に連れていってくれた。子供たちが木々を見上げて、「うわあ〜」と声にならない声を上げる。枝にびっしり、かなり大型のエスカルゴが張り付いているのだ。ブルゴーニュはエスカルゴ料理が名物だけれど、これは食用品種ではないとのこと。
例年この時期には、エスカルゴが湧いてくるそうだけど、今年は特に多いと。それが2008年のワインにとって、吉兆だといいなあ。
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