レジスおじさんのヴォルネイと、カラスミ。
毎日2分以上、日が長くなっていく。
5月に入って、日没は午後10時近くまで延びてきた。セーヌの橋の上から下流を眺めると、太陽の沈む位置が、たとえば1ヶ月前に比べて、ずいぶん右側にズレているのがわかる。
シャンゼリゼ大通りから凱旋門を望んだ時、年に2回、アーチの中にちょうど日が沈む時期があるんだけど、いつ頃だったっけ・・。
昔住んでいた界隈を、中華の夕食後のんびり散歩する。パリ市庁舎の正面に、V字型に夕日が当たっていた。
さて、ブルゴーニュから帰った翌日、近所のOさん宅で夕食をご馳走になった。イタリアから帰ったばかりのO夫妻が、秘蔵のカラスミを出してくれる。
それをMさんが、スパゲッティに仕立てた。ふだんほとんど料理はしないなどと言っていながら、パスタの茹で加減やニンニクとトウガラシの効かせ方など、絶妙。トウガラシだけに、鷹の爪を隠してるわけ?ねっとりとしたカラスミを薄切りにして和えると、最高の一品になった。
他にもチーズとか持ち寄って、ワインが進むこと。
とりあえず、第1陣だけをカメラに収めた。左の2本がMさん供出分。右の2本は、拙宅から持って来た。右端のルイ・ジャドの2000年ムーラン・ア・ヴァンは以前、「これがボジョレー?」と感動した一本(こちら)。でも前日までの試飲で呼び覚まされた感覚がまだ残っているのか、タンニンの粗さがずいぶん気になった。そこまでの洗練をこのワインに求めるのは、酷だとは思うが。
シャルム・シャンベルタンは、先代ペロ・ミノHenri Perrot-Minotのもの。でもこの93年は、残念ながらすっかり峠を越えていた。同じ造り手の90年は、まだまだ元気なのに。
左端のヴーヴレイは、ロワール地方の有名な白ワインで、これは上品な甘口。アペリチフで飲んだり、デザートといっしょに楽しんだ。
そして真打ちが、左から2番目の2004年ヴォルネイ1級。レジスおじさんのところで買って、Mさんがコンゴに持っていくはずだったのが、勢いで食卓に載ってしまう。なにぶん、あのトラックのようなミニバスで運んだので、輸送中の揺れ方はすごかった。
「ほんとは、もう数日休ませないといけないんですけどね・・」と言いながら開けたのだが、そんな悪条件など少しも感じさせなかった。試飲の時の感動が、ふたたび蘇ってくる。張りのある若々しさと、十分な余韻の長さ。そしてなにより、いとおしいほどの繊細さ。年を取ってブルゴーニュに魅かれるのは、こういうところなんだろう、きっと。
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コメント
美味しいカラスミに救われました。ちょっと辛すぎましたね。それにしても皆さんがものすごく飲むものだから、思わずヴォルネイ開けちゃいましたよ。
投稿: minmin | 2008年5月20日 (火) 00時40分
あのあとOさんが出してくれたロワール(でした?)も、おいしかった。あれ、何でしたっけ?
投稿: ムッシュ柴田 | 2008年5月20日 (火) 08時03分
Pierre BretonのBourgueilだったと思います。畑の名前は忘れました。
投稿: minmin | 2008年5月20日 (火) 14時15分
畑の名前はLes Perrieresでした。
投稿: minmin | 2008年5月20日 (火) 14時19分