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2008年5月13日 (火)

星を失っても、頑張ってるレストランなのだ。

 1日目は、ボーヌ市内に泊まった。夕食はどこへ行こうかということになって、フランスの中ではこの町にもっとも足しげく通ったというMさんが、ホテルのすぐ近くのレストランを思い出した。

 Ecusson(エキューソン『紋章亭』)というお店。かつてはミシュランのひとつ星を得ていたのが、近年失ってしまったんだそうな。普通なら、そういう店にはあまり行きたがらないだろうが、Mさんも僕も、そういうことにはあまりこだわらない。評判が高いと逆に期待し過ぎて、失望することもあるしね。

 とはいえ、店内がガラ〜ンとしてたらいやだなと思ったが、適度に混んで、暖かい雰囲気だった。

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 ミシェル・ブラスの電話帳のような分厚さには及ばないが、それでもブルゴーニュのレストランならではの充実したワインリストを眺め、ニヤケたり、感嘆しているオジサン二人。結局、この2本を注文した。

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 「いやあ、こんなものまでありますヨ」とMさんが興奮していたのが、右のムルソー。コシュ・デュリCoche-Duryという「白ワインの神様」と奉られている造り手の、1998年「レ・ルージョLes Rougeots」。これを置いてあるというだけで、この店に対するMさんの好感度は一気にアップした。

 一方、ミーハーの僕は、メオ・カミュゼのヴォーヌ・ロマネ2001年「レ・ショームLes Chaumes」がうれしかった。アンリ・ジャイエ筋のワインを飲むのは、これが初めてだったもので・・。

 さて、料理は、

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 まず、前菜の盛り合わせ。右がウフ・ムレットという卵料理。普通は天火で半熟ぐらいに火を通しているのだけど、ここのは生の黄身がそのままのってるのが珍しい。真ん中は、かりかりのベーコンのカナッペ。左はヴァン・ショー(赤ワインの熱燗)。この3つ目だけは、ちょっと意図不明だったかな。

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 こちらはminmin家が頼んだ前菜で、牛の骨髄とエスカルゴを合わせた、独創性あふれる一品。昼間、ミュニュレさん家でどっさりカタツムリを見たしろみさんが、どうしてもエスカルゴを食べたくなったのだった。でもあまりエスカルゴ本来の味はしなかったようで、翌日もカタツムリ症候群は癒えていなかった。

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 メインは確か、鶏を香ばしく焼いたものだったと思うのだけど、むむむ・・ほとんど記憶にない。もうずいぶん、いい気持ちになっていたのかも。

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 イチゴのシャーベット、イチゴのマカロン、イチゴのクレム・ブリュレ・・イチゴ尽くしのデザート。

 その前には、ブルゴーニュ産を中心にしたチーズワゴンも出てきて、思わず何種類も食べてしまった。

 料理の質、ワインの充実度、そしてサービスの感じの良さなど、これなら星がひとつぐらいあっても、全然不思議ではないと思った。当事者にとって、ミシュランから星を取り消されることは、ほとんど死活問題というくらい、さぞかし衝撃的なことだったろう。

 その当時、評価を下げられる理由がどこにあったのか、本当のところはわからない。でも今現在、すごく頑張って店を盛り立てていることは間違いない。それにしてもミシェル・ブラスの時にも思ったけれど、レストランで一定水準を維持するのは、つくづく大変な仕事である。



 

 


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コメント

エスカルゴのソース、とても美味だったのですが、なんだかブフ・ブルギニィヨンを食べているようで・・・。やはりあの土臭さとニンニクバターがいいんですよネエ、エスカルゴは。

投稿: しろみ | 2008年5月16日 (金) 18時18分

確かに翌日の晩に食べた伝統的調理法のが、いわゆるひとつのエスカルゴでしたもんねえ。

あの踊ってるままの白鳥、どうしてるだろう・・。

投稿: ムッシュ柴田 | 2008年5月16日 (金) 20時39分

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