日本人シェフのフレンチ。その1
パリを始めフランス各地のレストランやパティスリーには、本当にたくさんの日本人が修業に来ている。大部分の人たちは何年かして日本に帰ると思うのだが、中にはこちらに残って、店を構える人もいる。
青木誠さんも、そのひとり。そして彼は、フレンチの基本に忠実なところで、勝負している。メニューに天ぷらや、ワカメスープなんて出さない。
「Makoto Aoki」はシャンゼリゼ大通りから北に折れて、細い道を5分ほど歩いたところにある。
オフィス街なので、昼食時はビジネスマンでいっぱい。
日本人の客には、日本語訳のメニューをさりげなく手渡してくれる。右の日替わりメニューはさすがにフランス語だけだけど、ホール担当のシェフのお姉さんがちゃんと説明してくれるので大丈夫。
僕たちはこの店の名物と聞いてきた野菜のマリネやリゾットを試してみたかったので、アラカルトで注文した。
上が、「春野菜のスパイシーなマリネ」。下は僕の注文した「モリーユ茸のクリーム煮とブリオッシュのトースト」。
春野菜はカブやポワローネギ、カリフラワー主体で、彩りこそやや地味だったけど、粒胡椒を大胆に効かせて、「メインへの期待がとても高まった」(嫁談)。
モリーユ茸は黒っぽい編み目模様の、フランス特産のキノコ。かりかりに焼いたブリオッシュのお焦げを隠し味に、クリームソース、キノコのハーモニーが絶妙。特にクリームソースの芳醇さは、日本人でここまでできる料理人は、なかなかいないのでは。
メインの二品。「鱈のリゾット」と「ピレネー産の子豚のロースト」。リゾットの上にド〜ンと鱈が載り、グリーンアスパラやドライトマト、パルメザンのせんべい(?)が添えてある。「ここで出る、あらゆる季節のリゾットを食べたい」(嫁談)。
子豚は「乳飲み子と大人の中間ぐらいです」と、お姉さんが説明してくれる。皮の香ばしさと中のふっくら感は完璧だし、このお皿も、ソースが素晴らしかった。
季節感あふれるデザート「赤いフルーツとチョコレートの温かいケーキ、ココナッツのアイス」。
唯一難を言えば、ワインリストがそれほど充実してないことか。でもそれがあまり気にならないくらい、料理自体の満足感は高い。フランスの伝統的な部分に真っ向勝負を挑んでいる青木さんは、その料理同様、きっと骨太な人なんだろう。
Makoto Aoki
19 rue Jean Mermez, 75008
TEL 01 43 59 29 24
日曜、定休
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コメント
罪な内容です・・・。全部食べたい・・・・。
メニューの右ページも見たい。メニュー見てあれこれ妄想するのも、好きです。あと私の中で、リゾットとデザートのおいしい店はポイント高いです。
このお店、今度連れて行ってくださいね!!例のイタリアンもね!!
投稿: しろみ | 2008年5月29日 (木) 17時53分
>リゾットとデザートのおいしい店はポイント高いです。
そうだよね〜。
いつ行こうか♪
投稿: かりんとう | 2008年5月29日 (木) 21時28分
ワタクシもこの年になると、読書で妄想が浮かぶのはもっぱら、レストランのメニューとワインリストになってしまいました。
キンシャサのチカチュウも、かなりおいしそうですけど。
投稿: ムッシュ柴田 | 2008年5月29日 (木) 21時32分