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2008年4月18日 (金)

ジャンヌ・ダルクと、ペッパーステーキ。

 ルーアン旅行の続きです。

 大聖堂を見てそのまま帰る人が多いかもしれないが、その裏手にもこんな素敵な教会がある。

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 聖マクルー教会。炎が燃え立つようなフランボワイヤン・ゴシック様式の、15世紀の傑作と言われている。でも実際に見ると、激しさよりも洗練された感じをより強く受ける。その軽やかさは、石造りのレース編みとでも言ったらいいのか。

 来た道を戻り、聖堂を通り過ぎてしばらく歩くと、「旧市場広場」に出る。

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 英仏百年戦争で敗れる寸前だったフランスを救ったにもかかわらず、ジャンヌ・ダルクは魔女として、1431年5月30日、この広場で火あぶりの刑に処されてしまう。今はそこに、モダンな建物の「ジャンヌ・ダルク教会」が建っている。

 腹が減ったので、広場に面したカフェを何件か物色し、どちらかというと肉体労働者向けのようなビストロに入る。

 2階へ上がる階段のカーペットが完全にすり切れているのを見た時は、よほど引き返そうかと思った。

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 ところが意外や、出てきたペッパーステーキは、外見は武骨ながら、ミディアム・レアのみごとな焼き加減、ソースの絶妙な味わいなど、非常に満足すべき一品だった(フランスのステーキは、焼き過ぎか血まみれのどちらかの場合が多いのです)。

 付け合わせものジャガイモや玉ねぎも、わざわざ中をくりぬいて茹で、クリームソースで和えたものをさらにオーヴンで焼いて供するという手の込み方。ボジョレーの赤、モルゴンとの相性も、抜群だった。

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 教会裏の花壇になっているところが火刑場跡であると、立て札に書いてある。そして後ろの低い石組みは、耐火壁であったと。生々しい。ここに少女をくくりつけた杭が立ち、何千もの群衆が取り囲んでいるところを想像する。魔女を焼き殺せと歓声を上げた人々と、悲しみにくれたり後ろめたさを感じた人々と、どちらが多かったんだろう。




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