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2008年4月

2008年4月28日 (月)

ロマネスクな人々。

 今回の旅行では、中世ロマネスクの教会をいくつか見た。素朴で、いい建物が多かった。そして内外に彫られた彫刻も、ほとんど漫画みたいで素晴らしい。この時代のキリスト教会は、宗教的な場所であると同時に、今の美術館、映画館、娯楽施設も兼ねてたんじゃないだろうか。

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 ちょっと、ブレてます。すみません。クレルモン・フェランから南に30kmほど行ったイソワール(Issoire)という町の大聖堂。ここは極彩色の内部が有名で、柱頭に描かれたキリストの人生も総天然色になっている。

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 大天使ミカエル?

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 そしてこれは、フランス南部の山深〜い村コンクの大聖堂の正面。「最後の審判」である。かなり大きい画像なので、拡大して細部を堪能してみて下さい。

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 この正面(タンパン)の向かって左が天国、右が地獄なんだけど、天国の退屈そうな聖人たちより、地獄の人々の方が、見ていてずっと面白い。

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 この閻魔さま、とかも。

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 そしてコンク大聖堂の彫刻の白眉は、この「覗く人」(?)だと思う。タンパンの外縁にひっそりと彫ってあって、注意してみないと気付かない。全部で10人ぐらいいるようだけど(上の方は高くて見えない)、みんな表情もしぐさも違う。秀逸です。

(嫁がサイトで調べたところ、正式名称は「好奇心の強い人」Le Curieuxというそうです。天国と地獄のさまを、そおーっと覗いている。こんな人間くさい、そして造形的にも優れた彫刻が、無名の職人によって造られていたんですね。)

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2008年4月27日 (日)

ミシュランのお膝元なのに・・。

 フランス中部クレルモン・フェランという町は、ミシュランの本社・工場のある企業城下町として知られている。

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 だから各家庭の窓からは、ビバンダムが顔を出している(ウソです。中心部にあるミシュランショップの2階です)。

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 大聖堂は黒々としていて、ミシュランのタイヤ工場から出る煤のせいかと思ったけど、どうやらそういう石材かもしれない。

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 教会前の壁にひっそりと刻まれている、「足を拭くキリスト」の浮き彫り。足を拭かれてる弟子が、照れたように頭に手を当てている(拡大してみて下さい)。

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 夕闇迫り、レストランへ。ミシュランのお膝元とはいえ、この町には著名な店はなさそうだ。「わざわざこんなところで」とも思ったが、以前も行ったことのあるアルザス料理店に向かう。

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 アルザス地方はドイツと国境を接し、料理もその影響を色濃く受けている。酢漬けのキャベツを蒸して、ソーセージや塩茹での肉を添えるシュークルートは、本家ドイツのザウアークラウトには負ける。でもこの店の豚足は、皮がとろとろにとろけていて、実においしかった。

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 こちらは生ハムの上に、ジャガイモと溶けたチーズの混ぜ合わせた熱々をかけて食べるという、恐るべき高カロリー料理。でもついつい、食べてしまう。

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 この白は、アルザスのリースリングらしからぬ濃厚なワインだった。でもそれが、これら重い料理といっしょだと少しも負けず、さわやかな感じすらしたのだった。






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2008年4月24日 (木)

旅の初日「オーヴェルニュの火山に登る」

 今年は春が遅いので、桜もまだ大丈夫なのではないか。そう思って、パリ郊外のソー公園に出かけてみた。

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 でも白の八重桜は散り始めて、半分葉桜になっていた。ま、これはこれで、風情があったけど。雨で芝生が濡れており、お弁当を広げることもできず、そのままフランス中南部への旅に出発する。

 1日目は、フランス中部オーヴェルニュ地方の州都クレルモン・フェランへと向かう(初日の行程は、こちらです)。幸い天気が良くなったので、クレルモン・フェラン手前で西に折れ、ピュイ・ド・ドームという山に登ることにする。

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 一見、ボタ山みたいだけど、一応火山です。標高も1500m近くあって、頂上付近には雪が残っている。2速まで落とさないといけないような急坂を、レンタカーがあえぎあえぎ登っていく(航空写真は、こちらです)。

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 やっとこ、頂上に到達。歩いて登る人たちも、少なくない。

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 頂上にあるこの建造物は、古代ローマの遺構だそうな。

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 当時の復元図。ローマ人たちはここを聖なる山としてあがめ、こんな神殿を建てたという。ふもとから人力で、石材を引っぱり上げたんだろうか。

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 頂上から、オーヴェルニュ山地を見下ろす。このあたりは、死火山帯の連なりで有名なところ。今まで何度もこの地方に来ながら、天気が悪かったり時間がなかったりで、こういう景色を見ることができなかった。念願がかなって、満足。まさにミネラルウォーターのヴォルヴィックに貼ってある写真そのものだった。ちょっとわかりにくいけど、手前のえぐれてるのもクレーター跡です。

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 この石碑は何だろうと、半分かすれている文字を読んでみる。年代は判読不能ながら、おそらく20世紀初頭と思われる。「パイロット某氏と某氏が、パリを発ち、この山頂に着陸。ミシュラン大賞を獲得した」とある。当時だからプロペラの複葉機だったと思うけど、いったいこの狭い山頂のどこに着陸したんだろう?







 

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2008年4月23日 (水)

古木のワイン、などなど。

 今週は家にいることが多く、こんなワインを開けてみた。

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 ボジョレーの格付けの中では、いちばん力強いと言われるモルゴンMorgonの2006年。ギイ・ブルトンという自然派の造り手のもの。なんて知ったふうに書いてるけど、「ラ・ヴィニーニャ」で買うまで、全然未知のワインだった。

 このワイン屋には、僕がひそかに「ヒゲ親父」と呼んでいるでぶっと貫録のあるオジサンがいて、いろいろ珍しいものを出してきてくれる。今回もボジョレーの棚のあたりをウロウロしていたら、「何がほしいんだ?」と訊いてきて、高級ワインばかり寝かしてある、奥の鍵付きガラス部屋から出してきてくれたのが、これだった。といっても、12ユーロ程度(2000円ぐらい)。でも日本でも、人気の銘柄みたい(紹介サイトはこちら)。

 「古木って、どれぐらい?」とヒゲ親父に聞いたら、「60年ぐらいだろ」と言ってたけど、この紹介サイトを見ると平均75年とある。いい加減なオヤジだ。古い木の葡萄だけから作った最新のビンテージは、モルゴン特有の圧倒的な力強さより、優しく長い余韻が印象的だった。何本か買って、5年ぐらいしてまた呑んでみようっと。

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 また別の日には、1993年のシャブリを開けた。ヴォーデジールVaudesirという特級畑のもの。10数年前にシャブリ村に行った際、このギイ・ロバンという造り手を訪問して、何本か買ってきた。

 15年を経たものの、黄金色の液体はまだ十分に張りがある。呑みながら、ギイおじさんが瓶詰め作業をしながら、いろんな話をしてくれた遠い昔のことをぼんやり思い出したりした。


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2008年4月22日 (火)

イエナの朝市で、いいもの見つけた。

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 4月下旬になって、パリに射す陽光もようやく春めいたものになってきた。アパートの暖房は、まだ切れてないけど。

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 この陽気に誘われて、久しぶりに近所の朝市に出かける。地下鉄9番線の「イエナ」駅を出たところ。セーヌ川に向かって下る大通り沿いに、毎週水曜日と土曜日に昼過ぎまで市が立つ。店を選べば、新鮮な食料品が買える。中でも野菜は、パリの他の朝市と比べて、バリエーションが豊富で、鮮度もかなりいい印象だけど、どうだろう。

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 こういうトマトを売ってる店とか・・、

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 ジャガイモだけの八百屋とか。上段の小さいのは、皮付きのまま塩茹でして、マスタードをつけて食べると、非常においしい。右下の真っ黒けのは、まだ食べたことない。今度、試してみよう。

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 こちらは、キノコ専門店。この時期はさすがに種類が少ないけど、かなり立派なエリンギ茸を売っていた。

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 塩屋です。日本でも有名になった南仏ゲランド産の塩に、いろんなスパイスを加えて、小袋で売っている。ニンニク入りとか、ショウガ入りとか、シナモン入りとか、胡椒入りとか。

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 ひと袋、3,5ユーロ。3袋買うと10ユーロ(約1600円)。お兄ちゃんの笑顔につられて、ニンニク入りをひとつと、ドライトマトやハーブ入りのをふたつ買う。そしたらひと袋おまけしてくれて、結局ひとつ2,5ユーロの計算だった。よほど原価も安いんだろうけど、悪い気はしない。

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 うちに帰って、市場で買った地鶏の丸焼きと子芋、サラダにこの塩を振って食べたら、いっそうおいしかった。帰国の際の、お土産にいいかも。

 




 


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2008年4月20日 (日)

新車を、購入したのだ。

キックボードです・・。

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 初代は2年前に買って、娘の小学校までの送迎に使っていた。さすがに各部にガタが来て、特にハンドルが、全開コーナリング中に元に戻らなくなるという、怖い目に何度か遭ったために、買い替えを決断する。

 最初にアップした時、「アメリカのマイクロ社製」と書いたのだけど、どうやらスイス製らしい(Micro社サイトはこちら)。だとすると、「ミクロ」と読むのかな。

 並みのキックボードと違うのは、シャシーが合板製でしなること。ここがサスペンションの役目を果たしてくれて、操縦性も乗り心地も格段にいい。いわば、トーションバーなのだ(自慢)。

 100kgまでの荷重に耐えられると、取説に書いてある。娘を乗せて、教科書でパンパンに膨らんだかばんをハンドルに引っかけても、かろうじて大丈夫。行きはほとんど下りなので、すごく速い。急制動が効かないので、注意が必要だけど。

 初代は近所の粗大ごみ置き場に、送りがてら置いていく。15分後に戻ってきたら、もうなくなっていた。もらってくれるのはうれしいけど、ちゃんと整備しないと危ないヨ。


 

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2008年4月18日 (金)

ジャンヌ・ダルクと、ペッパーステーキ。

 ルーアン旅行の続きです。

 大聖堂を見てそのまま帰る人が多いかもしれないが、その裏手にもこんな素敵な教会がある。

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 聖マクルー教会。炎が燃え立つようなフランボワイヤン・ゴシック様式の、15世紀の傑作と言われている。でも実際に見ると、激しさよりも洗練された感じをより強く受ける。その軽やかさは、石造りのレース編みとでも言ったらいいのか。

 来た道を戻り、聖堂を通り過ぎてしばらく歩くと、「旧市場広場」に出る。

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 英仏百年戦争で敗れる寸前だったフランスを救ったにもかかわらず、ジャンヌ・ダルクは魔女として、1431年5月30日、この広場で火あぶりの刑に処されてしまう。今はそこに、モダンな建物の「ジャンヌ・ダルク教会」が建っている。

 腹が減ったので、広場に面したカフェを何件か物色し、どちらかというと肉体労働者向けのようなビストロに入る。

 2階へ上がる階段のカーペットが完全にすり切れているのを見た時は、よほど引き返そうかと思った。

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 ところが意外や、出てきたペッパーステーキは、外見は武骨ながら、ミディアム・レアのみごとな焼き加減、ソースの絶妙な味わいなど、非常に満足すべき一品だった(フランスのステーキは、焼き過ぎか血まみれのどちらかの場合が多いのです)。

 付け合わせものジャガイモや玉ねぎも、わざわざ中をくりぬいて茹で、クリームソースで和えたものをさらにオーヴンで焼いて供するという手の込み方。ボジョレーの赤、モルゴンとの相性も、抜群だった。

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 教会裏の花壇になっているところが火刑場跡であると、立て札に書いてある。そして後ろの低い石組みは、耐火壁であったと。生々しい。ここに少女をくくりつけた杭が立ち、何千もの群衆が取り囲んでいるところを想像する。魔女を焼き殺せと歓声を上げた人々と、悲しみにくれたり後ろめたさを感じた人々と、どちらが多かったんだろう。




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2008年4月17日 (木)

ルーアンといえば・・。

 パリから西へ100kmほどの地方都市ルーアンに、日帰り旅行に出かけた。

 ルーアンといえば、歴史の好きな人にとっては、ジャンヌ・ダルクが火あぶりの刑に処された地。美術好きなら、モネの「ルーアン大聖堂連作」で有名な町。そして(かなり年配の)F1ファンにとっては、1968年にジョー・シュレッサーというフランス人ドライバーが、ホンダ空冷F1で悲劇の事故死を遂げた場所でもある。

 まずは、大聖堂の見物に行く。

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 旧市街にはこんなふうに、木組みがむき出しになった民家がたくさん残っている。フランス国内ではここノルマンディ地方の他にも、ブルターニュやアルザス、シャンパーニュ地方でも見られる。きっと地方ごとに様式の細かな違いがあるんだろうけど、シロウトの僕にはよくわからない。

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 この美しい時計塔を抜けると、正面が大聖堂である。

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 時計塔のアーチの下側には、こんな繊細なレリーフが彫られている。

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 ドドーンと、大聖堂が優美な姿を現わす。

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 広場をはさんで、大聖堂の真向かいにあるこの建物の2階を、モネはアトリエにしていたという。現在は、観光案内所になっている。「2階に上げて」と頼んだら、あっさり断られた。

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 オルセー美術館で作品を見た時の印象で、こんなアングルから写真を撮る。でも実際は、全然違っていた(こちら)。人間の記憶は、ホント当てにならない。


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2008年4月15日 (火)

「ポルトガルのカステラ」だゾ。

 以前紹介した「グッゲンハイムのレストラン」で出てきたワインに関して、「ラベルに描かれているのはタンポポではなく、アーティチョークでは?」というご指摘をいただきました。S夫妻はアーティチョークが大好きで、ヴェランダで栽培されてるそうで、そう言われて改めて眺めてみると、確かにアザミっぽい。失礼いたしました。いつかRodaさんに、これについて訊いてみたいものです。

 そういえば先日行ったパリ最大のワインショップ「ラ・ヴィーニア」に、Roda1があったけど、確か200ユーロ(3万2千円)以上の値札が貼ってあったような。とても手が出ませんでした。

 さて、ポルトガル旅行から帰ってきたご近所のI夫妻から、お土産をいただいた。

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 カステラです。長崎で修業したパウロ・デゥアルテさんが、帰国して作り始めた。そして数年前にはリスボン市内にティーサロンを開店し、日本人の奥さんが切り盛りしている。今やこの店は、ヨーロッパ在住の日本人がポルトガルに旅行する際の、絶対に外せない名所である。(こちら)僕たちも2年前に行った時には、ここに入り浸って美味しいづけ丼を食し、お土産にカステラをどっさり持ち帰った。

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 日本のカステラに比べると、ずっと濃密な味。それを「本物じゃない」と批判する人もいるけれど、ヨーロッパの風土にはこっちの方がずっと合っていると思う。ちなみにこの皿も、パウロの店で購入したポルトガル特産のものです。

 で、カステラは純粋に日本のお菓子で・・、

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 その元祖は、「パン・デ・ロー」というお菓子だという。2年前に現地で食べたこれが、そうだと思い込んでいたら、嫁から「これは、エッグタルトでしょ」と訂正が入りました。

 さて、なぜパン・デ・ローが、カステラになったのか。興味のある方は、こちらをどうぞ。それにしてもWikipediaに書いてる人たちの、執筆に賭ける情熱はスゴイね。



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2008年4月14日 (月)

パリにも、こんなに愛想のいいレストランがあるんだ。

 かつては寂れていたこの辺りも、今は画廊や小洒落たビストロの並ぶ界隈になっている。ラクロワのホテルからブラブラと5分ほど歩いて、予約したレストランに到着した。

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 「ル・パンフレ」(風刺文書)という変わった名前。何かいわくがありそうだけど、訊くのを忘れた。

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 店内はこんな感じ。テーブルの間隔が十分開いていて、9時過ぎには全席埋まっていたけど、窮屈そうな感じはまったくなかった。客の年齢層は、けっこう高め。東洋人のオジサン二人で坐っていても、特に違和感はない。

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 われわれは、ムニュ・デギュスタシオン(いろんな料理が少量ずつ出て来るコースメニュー)を注文した。最初に冷製ガスパチョスープが出て、これは2皿目の海老をニンニクソースで炒めたもの。付け合わせは、茄子のキャビア。グラスで頼んだ、ボルドーAOCの白との相性も抜群だった。

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 サラダで隠れてしまっているけど、パイ生地の上にグリーンアスパラが載っている。子羊の胸腺を炒めたものが、周りを縁取っている。「おいしいねえ」と、二人で顔を見合わせる。給仕をしてくれてるのは全員が若い女性で、キビキビと立ち働く上に、ニコニコと笑顔を絶やさないものだから、キムタカ氏は「いや、いい店だねえ」とご満悦だ(僕も)。

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 4皿目は、カジキマグロのステーキ。表面はパリパリと香ばしく、中はねっとりとジューシー。「フレンチで、こんなに魚のおいしい店も珍しい」と、キムタカ氏絶賛。この手のメニューにしては、各皿がけっこうな量なのだが、すいすいと入ってしまう。

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 このマグロステーキあたりから、赤に切り替える。ヴォルネイ1級畑を注文し、「かしこまりました」と言って下がって行った女性ソムリエが、すぐに戻ってきて「申し訳ありません。なくなってるのを忘れてました」と言う。普通ならずっこけるところだが、愛らしいのでオジサンたちは許してしまう。代わりに、サントネイ2005年を注文。クロ・ジュネという畑のもの。最後までなかなか開いてくれなかったけれど、ブルゴーニュらしいミネラルな感じを堪能する。

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 最後の肉料理は、小鴨のソテー。わずかに焼き過ぎだったのが惜しまれる。

 オーナーらしき年配の女性が出てきて、「先ほどは申し訳ございませんでした」と言われた。最初に注文したワインがなかったことを、わざわざ謝りに来たのである。ちょっと、びっくり。改めてキムタカ氏と、「いい店だ」と、この晩何度目かの目配せをかわす。

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 このあとさらにピレネーの羊のチーズが出て、とどめはチョコレートムース。でも満腹感より満足感が優り、店を出たのは僕らが最後であった。



 






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2008年4月12日 (土)

C・ラクロワのホテル

 キムタカ氏、来訪。一文字ちがうだけでルックスも年齢も大違いながら、素敵なオジサンである。年に何度かパリを訪れ、そのつど「今晩、空いてる?」と誘ってくれる。今回は、デザイナーズホテルを予約したとかで、迎えに行きがてら見物させてもらう。

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 「外からだと、ホテルだか何だかわからないからね」と言われていた通り、パン屋だった外観をそのまま活かしている。ホテルの日本語サイトを見ると、「パリ最古のパン屋」と書いてあるけど、そうなんだろうか。

 右奥にホテルの看板が出ているが、入り口はこちら側。パン屋のドアを押して、ホテルに入るようになっている。

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 デザイナーのクリスチアン・ラクロワが、内装を手がけている。こじんまりとした空間ながら、ラクロワらしさ全開である。

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 キムタカ氏が降りて来たエレベーターの中も、すごく凝ってる。
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 エレベーター前のデッドスペースも、上手に活かしている。書棚のように見えるのは写真で、一種のだまし絵である。

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 ロビーを抜けると、食堂。隣にあったカフェを、買い取ったのだろう。戦前のカフェの雰囲気を上手に残しながら、ラクロワらしさも出ている。サイトを見ると各部屋のインテリアもすごく面白そうで、キムタカ氏からも「見てみる?」と言われたのだが、レストランの予約時間が過ぎてることもあって、見物できなかった。残念。

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 夜景もまた、風情がありました。





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2008年4月10日 (木)

パリは、燃えておりました。

 5日ぶりにパリに帰ってきたら、機内アナウンスで「現地時間午前8時。ただ今の地上温度は、摂氏1度」と言っていた。

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 空港から家まで、ずっと雪景色だった。タクシー運転手いわく、夜中にずっと降っていたと。4月の上旬に雪が積もったことって、今までで初めての経験かもしれない。

 機内であまり眠れなかったし、ちょっと横になろうかなとTVを点けたら、近所のトロカデロ広場でデモをやってるとニュースが流れていた。ちょうど聖火がパリを通過する日で、チベット弾圧に対して中国政府に抗議する人々が、集まっているという。ジェーン・バーキンが映ってるのを見て、すぐに出かけて行った。

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 ふだんのトロカデロ広場は、こんな感じ。

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 それがこの日は、こういうことになっていた。

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 チベットの旗がひるがえり、中国政府への抗議の声が挙がる。その周囲を機動隊員がびっしりと取り囲んでいる。ただここを聖火ランナーたちが通過するわけではないので、そんなに緊迫した雰囲気というわけではない。

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 在仏チベット人の、恋人たちだろうか。

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 広場の端っこの、クレープの屋台のお兄ちゃん。ふだん僕が走る際、必ず手を振ってくれる、たった一人の応援でもある。今日はいつもより人出が多くて、ホクホク顔だった。ジェーン・バーキンもいないし、薄着で飛び出してきてしまったし、早々に帰ることにした。

 それにしても。もはや、「オリンピックを政治の道具に使うな」というレベルは超えている。これから、どうなることやら。


 

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2008年4月 9日 (水)

タイ料理のうまさに、アジアとの近さを思う。

 バーレーン滞在も5回目ともなると、少しずつ美味しいレストランも見つかってくる。この夜は、タイ料理屋へ。「タイランド」というベタな名前ながら、本格的な店だった。

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 店内は、おしゃれ。タイ女性が、合掌して迎えてくれる。

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 テーブルの上はロウソクの明かりしかなく、写真に思いきり補正を加えても、これが精いっぱい。一応、パパイヤサラダです。まだ青いパパイヤを千切りにして、甘辛ドレッシングで和えてある。しゃきしゃきした食感を楽しんでいると、食べてからかなりの辛さが襲来する。

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 タイ風ソーセージ。炒め方が足りないのか、豚の臭みがちょっと鼻に付くのが残念。でも回教国で豚肉が食せるのは、うれしい。

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 トムヤムクンは、酸っぱささと辛さのバランスが素晴らしかった。辛いだけでなく、コクも十分にある。このあとグリーンカレーや焼きビーフンもいただいたのだが、するするとお腹に収まって行く。オソロシイ。

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 意外と言っては失礼かも知れないが、ワインリストも充実している。こういうスパイシーな料理にワインを合わせるのはなかなかむずかしいのだけれど、これは大当たりだった。イタリアの白ワイン、2006年のピノ・グリージョ。濃厚な蜂蜜とさわやかな酸味とスパイシーさが、非常に高いレベルで釣り合っている。パパイヤサラダでもトムヤムクンでも、なんでもOK。料理との相性をちゃんと考えて、ワインをセレクトしている。すっかり、グラスが進んでしまいました。





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2008年4月 7日 (月)

産地直送は、やっぱり安い。

 予約したレンタカーは、親切にもホテルまで持って来てくれることになった。ロビーで待っていると、白い民族衣装に身を包んだお爺さんが、よろよろと上がってきた。相当の年配だ。まさかこの人じゃないだろうなと思って見ていたら、「ミスタ〜、シャイバタァ〜」と呼んでいる。どうやらレンタカー会社の人らしい。

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 契約書にサインしながら世間話をすると、なかなか味のある面白い人だった。別れ際に「写真撮らせて」と頼んだら、頭の巻きモノ(正式には、なんて言うだっけ)を急いで整えて、ポーズを取っていた。カワユイ。

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 今回のレンタカー(後ろ姿のルノー・クリオ3ボックス仕様)は、走行距離300kmのぴかぴかの新車だった。マレーシアで借りたのに比べると(毎日、手に汗握りました)、1000分の1の距離しか走ってないことになる・・。ただしガソリンはほとんど空だったので、まずはガソリンスタンドに向かう。

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 ノズルを見ても、どっちが何なのか、よくわからない。迷っていたら、店の人が赤いノズルから給油し始めた。ちょっと料金が高かったから、こっちがハイオクなのだろう。

 それにしても。20リッター入れて、2ディナールだった。日本円で、約600円。リッターわずか30円である。さすがに産地直送だ。バーレーン国民は所得税も払わなくていいくらいだから、ガソリン税もゼロなんだろう。これではハイブリッドやディーゼルの乗用車が走ってないわけである。

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 で、前回のランニングの続きですが。海沿いの埋め立て工事現場から、旧市街へ。まだ朝早いので、カスバの中も人影はまばらだ。でも香料屋からはすでに、カレーや胡椒やミントの混ぜ合わさったような、濃密な中近東の香りが漂っていた。

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 カスバの外れには電器店が並んでいて、バーレーンの秋葉原といった佇まい。この分野でのメイド・イン・ジャパン信仰は、まだ根強い。日本の製造業に携わるみなさん、ガンバって下さい。





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2008年4月 5日 (土)

変わってしまった、バーレーンを走る。

 バーレーン王国では、年に2日しか雨が降らないそうだ。だから朝起きて真っ青な空が広がってるのは、日常茶飯の事である。

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 ホテルの近所には、こんなモスクがたくさん建っている。

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 でも一歩旧市街を出て、海沿いに向かうと、こんな高層ビルがガンガンそびえている。

 バーレーンは中東最古の産油国で、しかも小さな島国だから、石油の埋蔵量には限りがある。それが枯渇してしまう前に、中東のビジネス、リゾートセンターとして生まれ変わろうとしている。そのためにあちこち埋め立て、超高級リゾートマンションやら、オフィスビルを建てまくっているのだ。

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 ここも去年までは、素朴で素敵な散歩道、かつ絶好のジョギングコースだった。でも今年は沖合に、人口リゾート島でも作るのだろう。埋め立て工事の真っ最中で、騒音とホコリが充満している。当然、そぞろ歩く人は皆無だった。

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 海の色だけは、まだかろうじて青い。

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 廃船となった漁船が、何十艘もつながれて、打ち捨てられている。今はその面影はまったくないが、昔はこのあたりは漁村だったのかもしれない。海沿いを走るのは早々にあきらめて、再び旧市街へと戻ることにした。

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(続きます。)

 




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2008年4月 4日 (金)

バーレーンで、地元メシを食す。

 今年前半の出稼ぎも佳境に入り、東南アジアから中東へ移動した。今週末はペルシャ湾に浮かぶバーレーン王国に滞在している。(地図はこちら)

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 「新撰組!」、ではない。これが王国の国旗である。絶対君主制がほとんどの中東では珍しく、ここは立憲君主制を取っている。二院制の議会があって、首相もいる。でも実質的には、相変わらず王族が権力を握っているだろうことは、首都マナマの街をちょっと歩けば、何となく感じることだ。

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 もうすっかり日の暮れた夕方6時過ぎに、マナマ空港に着陸。旧市街のど真ん中にあるホテルに向かう。この国ではタクシーが平気でふっかけるのには慣れてたはずが、今夜の運転手はひどかった。ホテル前で延々と言い争いを続け、ウンザリした気分で夜の街に出る。

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 でも、あてもなく歩き回っているうちに、「ま、いっか」という気になって、とりあえずメシを食うことに。左が、その食堂。右の得体の知れない店は、パソコンや携帯のアクセサリーを売ってるみたいだけど、「マスク」のキャラクターを無断で使っていいのか?

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 ガラスケースに並んでいるものをいろいろ指差したら、前菜はこれが出てきた。中東名物の豆や茄子をすりつぶして、オリーブ油で和えたペースト。右から2番目の赤いのは、ドライトマトとピーマンだったと思う。左端は、黒オリーブ。これをインドのナンみたいなパンに載せて食べる。オイシイ。一気に機嫌が直る(単純)。

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 メインは、羊のひき肉を鉄串に巻いて、炭火で焼いた一品。岩塩で味を整えただけながら、肉本来の旨味がうれしい。これでお勘定は、2,5ディナール(約750円)。砂漠の民の食事の一端に触れたような、ほんのり幸せな気持ちを抱えて、ちょっとキタナイ宿に帰ったのだった。





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2008年4月 2日 (水)

4月の魚とアスパラガス。

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 午後8時の、ベランダから眺める夕暮れ。なんだか、秋の空みたい。でも今が春である証拠に、台所では・・。

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 昼間買ってきたばかりのホワイトアスパラが、気持ちよさそうに茹で上がっている。

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 今夜はこのアスパラと、粉吹きイモと、人参の茹でたの。それからパンにチーズという、シンプルな夕食だ。写真を撮り忘れたけど、青カビチーズの上下をかりんジャムではさんだのを買ってあって、これがおいしいんだ、すごく。

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 合わせたのは、先日のワイン市で購入したばかりのアルボワのシャルドネ。1時間ほど置いておいたら、ヴィオニエかと思うようなスミレの香りが、いっぱいに広がった。というか、スミレの蜜に鼻を突っ込んだような、濃密な香りと後味。2005年は、アルボワでも偉大なヴィンテージなんだろう、きっと。

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 デザートは、「4月の魚」。ちょうど鯛焼きぐらいの大きさのを、ふたつ買ってきた。「中味は何ですか?」と店の人に訊いたら、「ガレットとおんなじヨ」という、身もふたもない答えが返ってきた。(ガレットの話は、こちら)「じゃあ、中にフェーヴが入ってたりして」という冗談に対しては、「フン」と鼻で笑われてしまった。せっかく正月の二匹目のドジョウを狙うんだったら、それぐらい入れればいいのにな。

 ちなみに目の部分は、干しぶどうです。

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 確かに中は、ガレットとおんなじ。ただし、フェーヴなし・・。




 

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2008年4月 1日 (火)

4月の魚。

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 ビルバオのグッゲンハイム美術館にあったのと同じ、ママン蜘蛛(こちら)。チュイルリー公園に置かれてると、ずいぶん印象が違う。より母性を感じるというか・・。不気味なことは、あいかわらず不気味だけど。

 変わりやすい天気はあいかわらずで、でも青空の見えてる時間が少しずつ長くなってるかな。こうやって、日ごとに春になって行くんだろう。

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 今日は7区の商店街まで、散歩の足を伸ばす。このあたりはしいて言えば官庁街なのだけれど、庶民的な店もたくさんある。行きつけの韓国料理屋で、カルビクッパなどをいただいたあと・・。

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 八百屋に行って、出始めたばかりのホワイトアスパラを3人分買う。

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 それからこのカフェのテラスに座って、路上観察。マレーシアでは霧吹き扇風機が回っていたけど、ここでは天井に取り付けられたヒーターから、熱風が降りて来てる。どんなに寒くても、フランス人はテラスに出たいのだ。ここなら大っぴらに、タバコも吸えるしね。

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 カフェを飲むうち、向かいのパン屋に目が留まった。夕飯用に、バゲットでも買って行こうか。それにしても隣の日本レストラン、「ONIWA」という名前である。「お庭」って書くんだろうか?

 入って行ったパン屋で、こんなものを発見した。

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 魚パイ。今日は4月1日で、エイプリル・フール。フランスでは、Poisson d'Avril(ポワソン・ダブリル 4月の魚)という。でもいつから、こんなものを売るようになったんだろう。

(続きます)






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