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2008年2月

2008年2月29日 (金)

地上最強のPHO(フォー)屋は、ここ。

 以前住んでいたセーヌ右岸のマレ地区界隈には、こういう相当に古い建物があちこちに残っている。

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 確か13世紀末か、14世紀初めの建物と聞いている。19世紀のオスマン大改造からも生き延びて、700年以上こうしてたたずんでいるわけだ。

 そしてその1階にヴェトナム料理屋ができるなんて、当時の人は想像もしなかっただろう。

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 ヴェトナムの本場のフォーを食べたことがないので、「地上最強」というのはあまりに大げさ。でもパリであちこち食べ歩いた限りでは、ここが一番おいしい。この界隈に住んでいた頃は週に一度は通っていたから、数百回は来たことになるかも。でも何度来ても、店の名前が覚えられない。というか、そもそもちゃんとした看板がない。

 食べたことのない人のために説明すると、フォーというのはヴェトナムを代表する麺料理で、米粉の平打ち麺を使うのが特徴である(ウィキペディアの説明はこちら)。

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 20人も入れば、いっぱいになってしまう店内。席について注文が終わると、すぐにこの野菜が出てくる。生モヤシと、レモンの切ったの、ミント、バジル、レモンリーフがどっさり。右側の怪しげな粘性物体は、甘いソースと辛いソース。お好みで、肉や魚玉につけていただく。

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 熱々が運ばれてきて、湯気でレンズが曇ってしまった。1秒でも早く、上に載っている生牛肉をスープに沈めて、半生状態にする。それからおもむろに、さっきの野菜群をどっさり投入する。

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 モヤシも軽く湯通しするのを、忘れずに。箸立てにぎっしり詰まってるスプーンを1本取って、まずはスープをすする。このダシが、他の店のはいかにも既製品風の味がする。でもここのは十分にコクがあるのに、決してくどくなく、つい全部飲んでしまう。麺もウィキペディアによると「腰のない米麺」とあるが、しっかりした喉ごしが楽しめる。

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 こちらは汁なし、細麺のボブン。甘辛く煮た牛肉やヴェトナム春巻き、人参、もやし、レタスが入っている。これらを甘酸っぱいソースにからめて、十分に混ぜてからいただく。

 久しぶりに来たこともあって、嫁と二人でフォー2杯、ボブン1杯を完食したのでした。




 


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2008年2月28日 (木)

サンテミリオンで、口直し。

 このところ、はっきりしない天気が続いている。

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 ちょうどパリコレが始まったばかりで、チュイルリー公園の特設会場辺りは華やいでいる。でも天気はあいかわらず、どんよりだ。

 今夜は、これを飲むことにした。

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 シャトー・リポーという、ボルドー・サンテミリオン地区のワイン。恒例の見本市で10数年前に見つけて、それ以来時々買っている。

以下、ボルドーの格付けについての話です。

 ボルドー商工会議所は、1855年のパリ万博の際にワインの格付けを行った。日本で言うと安政2年。幕末である。そしてこの当時のボルドーといえば、ほとんどメドック地区でしかまともなワインを産出していなかったため、格付けは大部分メドックのものに限られた。

 それ以来、1973年のムートン・ロトシルドを唯一の例外として(2級から1級に格上げ)、格付けの見直しは行われていない。150年以上もそのままだから、当然実情には合っていない。「5級なのに2級の実力」とか、あるいはその逆の言われ方がよくされるのは、そういう事情による。

 一方、「新興」の産地だったサンテミリオンは、1955年に初めて格付けを行った。そして彼らは賢明なことに、ほぼ10年ごとにその見直しをすることに決めた。ミシュランの星ほど世間的には有名でないにせよ、きっとそのたびに様々なドラマが繰り広げられたことと思う。

 で、このシャトー・リポーは、上から3つ目の「特別級」という格付けになっている。最近では2006年に見直しが行われたが、その直後にシャトーから「今回も特別級を維持できました」という、いかにもうれしそう、かつ誇らしげな手紙が来たものだ。

 日本にはほとんど入ってないらしく、知っている人は少ない。でも20ユーロ以下のワインとしては、十分に満足できるレベルだ。どの年のを飲んでも、期待を裏切ってくれない。シャトー・パルメールでちょっとがっかりしたあとには、ちょうどいいワインだったかも。


 

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2008年2月26日 (火)

すっごく、モンブラン。

 古い友人のU君が、はるばる訪ねて来てくれた。体重90kgのほとんどが、筋肉で出来てると思われる体つき。短髪、日焼けした精悍な顔。見るからに武闘派だが、実は心優しい男である。昔々、雑誌の企画でレーシングスクールに体験入校した時、教官で付いてくれて以来の付き合いだ。今はタイに渡って、かの地でスクールを経営している。

 タイから来た人に中華もなんだかなと思ったけれど、いきつけの中華屋で食事。それからボン・マルシェに例のワインを買いに行き、デパート内のカフェで休憩する。ボン・マルシェは世界最古のデパートだそうで(1852年創業)、客層も年配者が多かった。でも近年はこんな洒落た店を造ったりして、若者を獲得しようと頑張っている。

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 カウンターのガラスケース内にはケーキやタルトがズラリと並んで、選べるようになっている。U君はお酒も好きだが、大の甘党でもある。そこで僕と1個ずつ、このデザートを注文した。

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 普通のモンブランの上を行くらしい、「すっごく、モンブラン」(Très Mont Blanc)というネーミング(関西風に言うと、「めっちゃ、モンブラン」か)。中にチェリーが詰まってるのが、新しいのかな。全体的な味は、「まあ、モンブラン」だった。

 バンコクに発つ便は夜の10時頃だというので、家に帰ってお茶の続き。いつの間にか時間が経ち、最後はバタバタと送り出した。飛行機、ちゃんと間に合ったかなあ。

 


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2008年2月25日 (月)

パリ・ハーフマラソンの試走で、迷いまくる。

 本番まで1週間となったので、コースを下見に行くことにした。日曜なのに殊勝にも7時半に起き、地下鉄に乗る。でもスタート地点のヴァンセンヌ城は、1番線の終点だ。あんまり遠いので、パリ市庁舎前で降りてしまう。ここが折り返し点だから、ここから走って1周すれば同じだろうという、いい加減な考えなのであった。それが大きな間違いだというのは、あとで思い知らされることになる・・。

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 パリ市庁舎の正面。

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 冬の間は、前の広場が人工スケートリンクになる。確か今も、入場無料のはず。

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 9時半、とことこと、走り出す。閑散としたセーヌ川沿いを行き、そのうち左に折れてバスチーユ広場に向かう。

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 その先は、こんな殺風景な町並みになる。右側に延々と連なる塀の向こうは、鉄道線路だ。パリ市内の観光名所ばかりを巡るフルマラソンに比べると、ハーフの方はずいぶんと地味なコース選定だなあと、少しばかりいじけながら走る。

 そのうち、ヴァンセンヌの森に突入。名うての地理オンチなので、コース図に加えて、通過するすべての通りの名前入りリストを持っていったのだが、それでも森に入ってからやっぱり迷った。何度も人に訊いたりしたが、森の中の小道の名前を把握してる人は、当然ながら少ない。けっこうウロウロしてしまった。

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 Pesage(プザージュ)というのは、計量所のこと。その名前を冠した通りだ。ヴァンセンヌの森には、有名な繋駕(けいが)競馬場がある。その計量所があるのだろう。すれちがったランナーが、コース図を持った僕を見て、「こっちだよ」と城の方向を教えてくれた。ありがとう!

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 本来のスタート地点である、ヴァンセンヌ城にようやく到達。かつてサド公爵が幽閉されていたことがすぐに思い出されるような、あいかわらず陰鬱な建物だ。晴れていたら、雰囲気も違うのかもしれないけど。

 ここで問題発生。Nike-iPodを見ると、なんと13kmも走っている。ハーフマラソンは21,1kmだから、その半分は10,5kmちょっと。迷ったとはいえ、いくらなんでも13kmは多い。ということは、この距離計の精度が、ものすごく甘いということ?ふだんのジョギングで10km走ってたつもりが実際は9kmぐらいしかなく、「お、今日は速かった」とか思ってたのが、実は全然速くなかったということか?

 動揺しながら、コース後半へ。森を抜けて、ナシオン広場、再びバスチーユ広場を通って、市庁舎へ。後半はなんだかあっけなかったぞ、と思いながら距離計を見たら、全部で21,8km。迷ってウロウロしたのをのぞけば、ほぼハーフマラソンの距離だ。あれれ?

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コース最西端のシャトレー広場。

 家に帰って改めてコース図を見てみたら、折り返し点は市庁舎ではなく、帰りに通った時のバスチーユ広場なのだった。な〜んだと安心すると同時に、自分のそそっかしさにあきれるのだった。






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2008年2月23日 (土)

めでたさも、中くらいなり・・。

 ン十回目の誕生日を迎え、とりあえず家族で日本料理屋に出かけた。

 2週間の学校の冬休みが始まったばかりで、子供連れがたくさんいる。今さらながら普通のフランス人が、懐石や寿司をふつうに食べている。このあと行った虎屋でも、客の8割以上はフランス人で、抹茶を所望したり、ようかんを食ったりしているのである。

 僕たちは寿司カウンターの前に座って、握りをいただいた。

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 昼間なので、白のハーフボトルを1本。ドゥ・ラドゥセットというロワールの造り手の、2004年のプイイ・ヒュメ。きりっとして、何も言うことはない。

 夜はまた例の野口五郎商店街で、いろいろ買い込む。ただし今回は嫁のリクエストで、フランスの典型的お総菜であるトマトのひき肉詰めや、ポワローねぎのオイル漬け、アーティチョーク(朝鮮アザミ)のマリネなども加えた。

 地下室からは前日のうちに、ボルドーを1本出して来た。

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 シャトー・パルメールという、マルゴーの3級格付けワイン。10数年前にプリムール(先物買い)で購入して、秘蔵していたというか、ほとんど忘れていた。13年も経ってるし、そろそろ1本ぐらい開けてもいいかなと。

 黒地に金のラベルが、異彩を放つ。華美な下品さへ転落寸前のところで、踏みとどまっている感じ。コルクは、拍子抜けするほど短い。でもグラスに注ぐそばから漂ってくる濃密な熟れたベリー系の香りや、口に含んだ時のボリューム感は、大いなる期待を抱かせた。

 ところが・・。そこから先が、続いてくれない。固く閉じている感じとも、ちょっと違う。澱は十分に沈めたはずなのに、ざらざら感がある。そしてなぜか、塩分も感じる。

 このワインはメルローの比率が高いので、比較的早いうちから味わえると聞いている。1995年はグレイト・ビンテージでもないので、なおさらのはず。ひとことで言えば、響いてこない。う〜ん、こんなはずではなかったのに。




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2008年2月21日 (木)

100年前の写真の謎。

 わが家の居間の壁には、こんな写真が掛かっている。

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 2枚とも、古い古いパリの写真である。以前住んでいた界隈が、昔はどうだったのか知りたくて、そういう写真ばかり集めているロジェ・ヴィオレという店で購入した。(コンタクト先は、こちら)

 で、こないだ走りに行った時、ついでにこの2枚の写真とほぼ同じ位置から撮影してみた。前々から不思議に思っていて、確かめたいことがあったからだ。

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 1980年代、僕はこのセーヌ川にかかるポンヌフ(新橋)の先、写真の奥にあるセーヌ通りに住んでいた。ちなみに古写真店のロジェ・ヴィオレも、この通り沿いにある。

 撮影されたのはおそらく20世紀初頭と思われるが、すでに当時の建物は取り壊され、レンガ造りになっている。道路に面して日よけがズラリと見えるのは、カフェやレストランや商店やらが並んでいたのだろう。この写真を見るだけでも、すごい活気を感じさせる。でもこれまた今や、一軒もなくなっている。

続いて・・。

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 こちらは1990年代に住んだ、マレー地区ランビュトー通り。セーヌ通りに比べると、変わり方は少ない。道路は石畳からアスファルトになったが、両側の建物はほとんど当時のままだ。右手前の建物は2階部分に女性の顔の彫刻がズラリと並んでいるのだが、これは今もちゃんとある。左手前は今もカフェだし、もしかして100年前からずっと営業してたりして?

 古い写真の方を拡大してもらうと、道路の真ん中をイヌが飛び跳ねてたり、2階建ての乗り合いバスが走ってたり、なかなか楽しい。こちらは最初の写真より、もう少し時代が下ってるかもしれない。やっぱり、活気がみなぎってる。それにしても昔の男は、ほぼ全員が帽子を被っていたのだね。

 で、最初に疑問と言ったのは、「撮影者の立ち位置」である。新旧の写真を見比べてもらうとよくわかるのだが、昔の写真は2枚ともすごく目線が高いのだ。2m50から3mぐらいの高さから、撮影してる感じ。マレーの方など、僕は両手を高々とあげて撮ったのだが、それでも古い写真はさらにその上を行っている。つまり2階建てバスの上から撮ったか(でも1枚目は舗道の上だ)、道の真ん中に足場を組んだとしか思えない。

 どなたか、真相を知ってませんか。





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2008年2月20日 (水)

千秋せんぱ〜い!

 ワインも奥が深いけど、音楽の世界もすごいな〜、という体験をひとつ。

 近所のTさん宅が、「親子コンサートのチケットが余ってるので、いっしょに行きませんか」と誘ってくれた。前夜の深酒で頭に深い霧がかかったまま、娘について行く。

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 会場は、サル・プレイエル。フランスを代表するピアノメーカーだった、プレイエル社の遺したコンサートホールである(ブランドそのものは、まだかろうじて残っている)。建物もホールも、大戦前のモダンな雰囲気をとどめた、気持ちのいい空間だ。

 コンサートの眼目は、ある曲の成り立ちや作者の意図、曲の構造などを、子供たちにもわかるように解説することなのだが、その説明や実演がほんとに巧みで、むしろ大人の方が興奮してしまった。

 演奏したのは、ラジオ・フランス交響楽団。日本で言うと、N響みたいなものか?そして指揮者は、日本人の大野和士さん。聞いたことのある名前だな、ぐらいの認識しかなかったけど、すでに世界的な評価を得ている人だ(こちら)。でもこの日の彼は、コンサートの性格上当然とはいえ、そういう鋭く厳しい感じではなく、くつろいだ雰囲気で、自分はできるだけ前に出ようとしてないところも好もしかった。

 プロコフィエフの「キージェ中尉」という交響組曲を題材に、まずは主旋律をソロで聴く。そしてそれにひとつずつ違う楽器が加わって行くにつれ、どんなふうにイメージがふくらんでいくかを実演してくれる。講師役のフランス人の説明も、すごく上手だった。

 たとえば「これだけでもほとんど完璧ですが、もうひと振り、スパイスをかけてみましょうか」と言って、ほんの1小節ハープを聴かせる。それを加えて、再び同じパートを演奏する。すると確かに、味わいが深くなったことが実感できるのである。

 あるいは主旋律を金管と弦楽器で演奏し分けると、具体的にどう変わるか。なぜ作者はそれを意図したのか、等々を、必ず実演しながら教えてくれる。だからオーケストラというものが、いかに重層的な構造を持っているかがよくわかったし、何より曲の理解が格段に深くなる。

 「キージェ中尉」というまったく馴染みのない曲なのに、具体的な情景が、映画でも見るように立ち上ってきたのには感激した(プロコフィエフは当初、これを映画音楽として作曲したそうな)。

 それにしても大野さんがふっと右手を揺らしたり、わずかに左手を滑らせるだけで、音楽が生き物のように自在にうねる。指揮者って、すごい。

 

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2008年2月18日 (月)

ボジョレーの凄さーその2ー

(2月17日からの続きです。)

 ということで、とある夕べ、この2本のワインを携えて、近所のお宅に招かれたのであった。

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 ワインといっしょに、またまた地下鉄沿線の肉類を買って持って行った。でもここはウチと違って瀟洒なアパルトマンなので、同じ肉が並んでも食卓の風景は、自ずと上品さを湛えている。

 一応、前日の写真の左側、ひょろっと背の高いのから紹介すると、ブラックタイというアルザスの白。リースリング主体ながらピノ・グリもブレンドされていて、2006年と若い割りには奥行きのあるワインになっていた。

 そしてボジョレーは師匠が(あ、師匠はやめてくれと師匠に言われたので(笑)、今後は単にM氏と呼ぶことにします)、「別格の格付け」と評価するうちのひとつ、ムーラン・ア・ヴァン。日本語に訳すと、「風車」です。このあたりにはかつて実際に、風車があったのかもしれない。

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 この酒神バッカスの付いたラベルを、見たことのある人も多いのでは。ブルゴーニュの大手ネゴシアン(ワイン商)のひとつ、ルイ・ジャドのトレードマークである。でもボジョレーの畑まで所有しているとは、知らなかった。

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 シャトー・デ・ジャックという蔵元。そこのシャン・ド・クールという畑の、2000年ビンテージだ。

 前口上が、長くなりました。

 コルクを抜くと、注ぐ前から濃密な赤い果実が香って来た。グラスの中の液体も、濃い赤い光を放っている。口に含んだ瞬間の厚み。そして舌から、喉を通過していくまでの、ビロードの余韻。ガメイ種でも、こんなワインができるんだと、いささか放心してしまった。

 放心というより、衝撃と言った方がいいのか。同じ花崗岩質の土壌で育ったガメイ種から、ほとんど高貴と表現したくなるような、ここまですばらしいワインができるとは。なんと奥の深い飲み物を、この国の人々は作っていることか。

 2000年はまだ十分に若く、抜栓して1時間以上経っても、固く閉じている。ブルゴーニュではあまり経験しないような、硬質なタンニンも感じられた。ゆっくり、ゆっくり呑もうと思ったのだが、この晩は名うての酒飲みぞろいだったため、シャン・ド・クールは乙女のまま、あっという間に儚くなってしまったのだった。

 さあ、ボン・マルシェに急がなくちゃ。

 



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2008年2月17日 (日)

遅まきながら、ボジョレーの凄さに触れる。

 生まれて初めて飛行機に乗って、初めて行った外国がフランスだった。2ヶ月近く、バックパックを担いで、あちこち旅行した。

 そんな旅も終わりに差しかかろうとしていた9月の初め、リヨンのユースホステルで「葡萄収穫のバイトあります」の張り紙を見た。そろそろ旅費も乏しくなっていたし、面白そうだしと、そこから数10km北にあるボジョレーまで、ヒッチハイクで出かけた。

 もう30年以上も、昔の話である。1週間ほど滞在したシェナス村は、今思えばボジョレーAOCのひとつだった。でも当時はそんなことに興味も知識もなく、なにより当時の僕は、アルコールはビール一杯が限界だった。

 残念ながら僕が雇われたのは農家で、造り手ではなかった。収穫した葡萄は、そのまま村の生協に運ばれたはずだ。その夏のフランスは200年ぶりという大干ばつに襲われ、とにかく暑かった。そして仕事も、過酷だった。

 ゆるい勾配をにじり上がるようにして、しゃがんだ姿勢のまま1日中葡萄を摘んでいく。かたわらには、5リットルは入りそうなガラスの大瓶が置かれ、中には安物の赤ワインがたっぷり入っている。それを水代わりにがぶがぶ飲む。でも全然酔わない。アルコール度も低かったと思うが、すぐに汗になって蒸発してしまうのだ。

 時には収穫した葡萄を、回収する係もやらされる。鉄製の大カゴを担いで、みんなのところを回る。そして巨大なコンクリート槽にざざあっと空けて、泥だらけの長靴のまま中に入っていき、足で踏み続けるのである。夜、雑魚寝の宿舎に戻ると、両肩の皮がすりむけていたものだった。

 ・・思い出話が長くなってしまったけれど、そんなわけでボジョレーは安くて、ぞんざいなワインという印象が、僕の中には消しがたく刻印されてしまった。

 でも暮れに呑んだサン・タムールで、その先入観は少し修正された(「ちょっと古いボジョレー」)。さらに決定的だったのは、ワインの師匠M氏の、ボジョレー讃歌(「ボジョレーは世界で一番美しい」)。この素晴らしい文章と写真は、ぜひ味わっていただきたい。

 ならばと先日、セーヌ左岸のデパート「ボン・マルシェ」に行ったついでに、こんなワインを買ったのだった。

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(続きます。)


 

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2008年2月15日 (金)

上品なビストロ。

 はるばるパリまで来てくれた知人を、ちょっと上品なビストロにお連れした。

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 外観はごく普通の、地味めな感じ。今回もネタ元は、ニュースダイジェストである。お世話になっております。

 店はシャンゼリゼ大通りからちょっと入った、閑静な一角にある。L'Arome「ラローム」というのは、香りという意味。食べ物屋としては、ちょっと変わったネーミングだ。

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 これでは何だか、よくわからない。でも店内がにぎわってる雰囲気は、何となく感じていただけるかと(広角のカメラが、欲しいな・・)。

 パリには東京のような明確なオフィス街のようなものはないが、シャンゼリゼ界隈は比較的ビジネスマンをよく見かける。この店も12時半を回る頃には、その類いの人たちでほぼ満席になってしまった。

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 店構えだけじゃなく、料理も上品だった。前菜は、アスパラガスとスモークサーモン。アスパラは、炭火で付けた焦げ目が香ばしい。でも、あっという間に完食してしまう。もう1,2本、アスパラとサーモンがあってもいいかな・・。右上のデミタスには、すごく甘いムースが入っている。ソースにしても、そのまま啜っても甘すぎる。ちょっと意図不明だった。

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 メインは、ホタテ。付け合わせは、ピーマンのマリネを主にしたサラダ。上に乗ってるのはタタミイワシ、だったらよかったけど、違った。これまたきわめて、量が少ない。でも味のメリハリは、実に効いている。見た目はそっけないほどシンプルでも、ひとつひとつの素材にかなり手を掛けてることも、よくわかる。これで量が、この倍あったらなあ・・。

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 知人は、オマール海老のリゾット。おいしそうだったな〜。はしたないので、味見はしなかった。あとで激しく後悔。ちなみに中央に屹立しているのは、殻です。中味は入ってません。

 と、今回は魚系だったので、モンタニーの2002年を注文した。ブルゴーニュの南の方はあまり馴染みがないのだが、この白はかなりどっしりして、後味も長い。色など、まるでヴァン・ジョーヌのよう。モンタニーはもっと軽い白かと思っていたので、うれしい驚きだった。

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 デザートは、こちら。この写真だとほとんど子供の落書きみたいだが、実物は上品なたたずまいだったのだヨ。リンゴのクランブルと、カシスのシャーベット。上の乾燥ワカメみたいなのは、はて何だったか・・。

 シェフはまだ20代らしいが、魚をメインにしたレパートリーが新鮮。量の少ないところも、食の細い日本人には好感が持てる。でも肉大食い人種のフランス人が、これで満足できるのだろうか・・。



 

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2008年2月14日 (木)

ヴァレンタインには、京の和菓子。

 フランスのヴァレンタイン・デイはここ数年、おそらく花屋の陰謀に違いないが、「バラの花を贈りましょう」ということになっている。

 でもやっぱりチョコレートであるべきだと、われわれは思うわけです。そこで老舗のメゾン・ド・ショコラへ直行。高級トリュフなどには目もくれず・・、

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 エクレア・ショコラを、ふたつ買った。パリに数あるエクレアの中でも、ここのが一番うまいと思う。値段は、ちと張る。本来なら日本でいう駄菓子に近いエクレアが、ひとつ4ユーロ(約640円)。だから、こういう時しか買わない。

 一方、娘はこの日、日本文化会館で開かれたお茶会に出席していた。(ニュースはこちら)裏千家家元の千宗室氏がパリを訪れ、日仏の子供たちを対象に開いたものだ。ミーハーな親たち(われわれです)は、会館ロビーで子供を見送るふりをして、家元の到着を待つ。

 入り口付近が騒がしくなり、家元登場。周りにいた人たちが、へへ〜と平伏する感じ。もちろん写真撮影は、厳禁。でも本人は、腰の低い感じの人だ。真冬なのに、紗の着物を着てはりましたなぁ。

 夕方帰宅した娘は、大満足の様子。お点前もさることながら、そのあとの和菓子製作がなにより楽しかったようだ。

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 なんと京の老舗「老松」の主人が家元に同行し、子供たちに直々に教えてくれたらしい。左2点は、娘の作った朝顔(上)と、下は菊かな?右はプロのお手本。当然ながら、違いは一目瞭然だ。でも味は、そう変わらなかったかも・・。

 ところで、これが何かと言うと・・。

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 左が、買ったばかりのエクレア。右のミニチュアは、1月8日にも紹介した(こちら)フェーヴの、メゾン・ド・ショコラ版なのである。この店で売ってるガレットには、このフェーヴが入っている。写真では見えないが、茶色の包み紙に店名まで入ってるという芸の細かさである。

 夕食後、和菓子3連発に、エクレアをまるごと1本。さすがに、ふくらみました。



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2008年2月12日 (火)

今夜は、肉食。

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 ここ数日、パリはずぅ〜っと快晴が続いている。今夜は上弦の月が、くっきりと浮かんでいた(凱旋門左の白いポチッ/拡大可能)。

 地下鉄沿線の商店街でいろいろ買い込んだわれわれは、急いで帰宅。まだ十分に温かい品々を、食卓に載せた。

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 ふだんウチは、あまり肉を食わない。どちらかというと魚とか大豆系たんぱく質、野菜が多い。こんなふうに肉だらけの食事は、めずらしい。メインはスペアリブ。他にトゥールーズ風ソーセージ、メルゲーズというスパイスの利いた、スペインでもよく食べるアラブ風ソーセージなども盛り合わせた。付け合わせは小さなジャガイモと人参を茹でて、洋がらしで食べる。

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 一段落したら、チーズ。フランス東部のコンテチーズを18ヶ月熟成したものと、ヤギのチーズに灰をまぶし、青黒いカビの生えたセル・シュル・シェール。そしてラム酒に漬けた干し葡萄をまぶしたソレイユ(太陽)。この店が、きれいに丁寧に熟成されたチーズだけを扱ってることが、よくわかる。

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 ワインは、これを引っ張り出してきた。ジュヴレイ・シャンベルタンの1990年。ジャン・フィリップ・マルシャン。ジュヴレイは花の香りが強いイメージがあったけど、これは濃厚な果実。甘い甘いイチゴが香る。もうちょっと酸味がほしいところかな。しばらく置いても七変化してくれないのが、ちょっと物足りない。でも豚にもヤギにもよく合って、十分に幸せな気分にさせてくれた。


 

 


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2008年2月11日 (月)

買い物は、メトロに乗って。

 かいさ〜つぐ〜ちでェ〜、きみのこと〜。

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 というBGMが流れてきてもおかしくないような、夕暮れの私鉄沿線、ではなく地下鉄沿線の商店街。

 ここは近所のAミンが、教えてくれた。うちから2つ先の駅前にあるのに、今までは気付きもしなかった。店の数はせいぜい10軒もないぐらいなのだが、これがなかなか侮れない。

 たとえば、この店。

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 一見するとこじゃれたブティックのようだが、チーズ屋である。

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 おしゃれなだけでなく、並んでいるチーズがみんなツヤツヤしていて、ものすごく食欲をそそる。店内は、客であふれている。ただでさえ狭いのに、さらに店員が5人もいる。でも彼らが次々と注文をさばいてくれるので、全然待たされない。いや、たとえ待たされたとしても、ここの多種多様なチーズを眺めてれば、気にならない。しかもパリとは思えないほど、彼らは愛想よく応対してくれる。

 その斜め前には、魚屋がある(1枚目の写真が外観)。

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 先日のタコぶつサラダは、ここで調達した。魚屋なんだから、普通の魚でも買ってみようかと思いつつ、またタコぶつを指さしている僕たち。いかにも気っ風のよさそうなお姐さんが、店を取り仕切っている。

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 その隣は、鳥の丸焼きやスペアリブや、いろんなソーセージの熱々焼きたてを売ってる店。オジサンはつまらない冗談を言っては、客に笑いを強要する。

 あとは肉屋と八百屋、そしてワイン屋が、斜めに向かい合う形で2軒ある。ここにはまだ昔ながらの、買い物を楽しむ雰囲気が残っている。つい、あれもこれもと買いすぎつつ、われわれは家路を急いだのであった。

 

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2008年2月 9日 (土)

ヴェリブで走ると、大根が転がる・・。

 さて、実際にヴェリブに乗ってパリを走ると、どんなことが起きるのだろう。

 ヴェリブを使ってるというと、一番よく訊かれるのが、「危なくない?」という質問である。「ぜ〜んぜん、危なくない」・・ことはない。日本と違って舗道を走るのは違反だし(おかげで日本と違って、歩行者は恐い目に遭わなくて済むけど)、クルマはびゅんびゅん飛ばすし。

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 パリ市内は大都市の中では自転車道が普及している方だとはいえ、大部分はバス・タクシーレーンと共用である。だから背後からぐわーっとバスが迫ってくると、ちょっとヒヤッとする。ハンドルの左側だけでいいから、ぜひミラーを付けてほしいところだ。

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 そして交差点や広場に差しかかると、その頼みの綱の自転車レーンも消えてしまう。あとは行き交う自動車と、混走しなければならない。この写真はパリ名物、凱旋門のロータリー(ラウンドアバウト)に、これから突っ込もうというところ。

 この凱旋門のロータリー。たとえ自動車でも、慣れない人だとなかなか外に出られず、ぐるぐる何周もしてしまったりする。自動車の場合は、まず進入の際は、中心にズバッと切り込んで行く。そして螺旋状に回るイメージで外側にふくらみながら、出たい道に向かって行くのがコツである。

 でも自転車では、これは危険。外周に沿ってアウトベタで回って行く。それでも放射状の道に差しかかるたびに、右側からクルマがけっこうなスピードで入ってくるから注意が必要だ。良い子はマネをしないように。

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 それから走ってて一番困るのは、こういう石畳の道を通過する時だ。1台あたりの経費を抑えようというのか、サスペンションは省略してある。アスファルト路面はともかく、石畳の道では振動で前が見えなくなるぐらい、よく揺れる。

 先日、日本食料品店で米やらラーメンやら、しこたま買い物をして、帰りにヴェリブを使った時のこと。走り出してすぐ、石畳のガタゴト道になった。

 交差点の真ん中で、ゴトッと音がして、何かがカゴから転がり落ちた。下を見たら、買ったばかりの大根だった。後方、左右の自動車が止まって待ってるのを感じつつ、大根を回収。あんパンとか納豆だったら、まだ恥ずかしさの度合いは少なかっただろうに、なぜよりによって大根だったのか・・。


 カゴがかなり小さめなのも、不満なところだ。

 まあでも、いろいろ言いたいことはあるとはいえ、こんなに便利、安価、かつ快適な都市移動手段は、他にない。あっという間に1500ヶ所近いステーションと2万台の自転車を用意するなど、決定からインフラ整備までの過程も迅速だった。フランス人も、やる時はやるもんである。

 前回紹介したホームページでは(英語版もあり)、パリの地図の任意のステーションにカーソルを合わせてクリックすると(こちら)、そのステーションで使える自転車の台数、空いているドックの数が一目瞭然にわかるのも便利だ。

 外出の時に近所のステーションに自転車があるかどうか、目的地のドックが使えるか、事前にチェックできるから、「ヴェリブ難民」になることがある程度防げる。

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 先日、滞在していたバルセロナでも、ヴェリブのスペイン版を発見。パリのノウハウを、ほぼそのまま移植したみたいだった。これから世界各国の大都市に、こうやって普及していくのかな。


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2008年2月 8日 (金)

便利だヨ、パリのレンタル自転車システム。

 去年の夏以来、パリ市内を自転車で走る人の数が目覚ましく増えている。なぜかといえば、Velib(ヴェリブ)という乗り捨て自転車システムが導入されたからである。

 フランス語のVelo(ヴェロ自転車)と、Liberte(リベルテ自由)を組み合わせたヴェリブ。簡単に言えば、最寄りの駐輪所から自転車を借り出し、市内の好きなところで乗り捨てるシステムである。すごく便利。今後の都市交通を考える上で、画期的なシステムだと思う。僕もすぐに、年間会員になった。いろいろ不便なところもあるけれど、その点はおいおい述べるとして。

 ホームページを見ると、去年末の時点ですでに20600台(!)のヴェリブが走っているという。ステーション(駐輪場)も1451ヶ所。パリ市内なら、少なくとも200m圏内に1ヶ所はあることになっている。

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 うちからも歩いて数分のところに、こんなステーションが3ヶ所ある。

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 旅行者とか、年会員じゃない人は、まずはこの柱に歩み寄る。

Cimg2556 24時間有効チケットが、1ユーロ。1回30分以内に乗り捨てれば、何回でも何十回でも使える。支払いは、クレジットカードのみ。1週間貸し切りでも、5ユーロだ。













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裏に回ると、付近の地図。ここに自転車が1台もなかったり、逆に乗り捨てようと思ってもいっぱいで場所がない場合、最寄りのステーションを探すのに使う。










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 一方、年会員はSuikaのような非接触型ICカードを、借りたい自転車が連結されているドックの上にかざす。それでガチャッと自転車が外れ、あとはペダルを漕ぐだけ。年会費は29ユーロ。これまた1回30分以内なら、無料で乗り回せる。

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 自転車は見た目武骨で重そうだが、3段変則付きでもあり、思ったより軽快だ。ただしハンドルは左右にかなり出っ張っていて、小柄な人には操作しづらいと嫁は言っていた。

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 こんな感じ。右の円いボタンのようなのが、変速ギア。左側は回して鳴らすベル。(パリ市内試乗記、次回です)

 

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2008年2月 6日 (水)

バルセロナを走る。

 数日ぶりに青空が広がり、ホテルを出た瞬間から空気が澄んでいるのを感じる。光の粒が、絶え間なく空から降ってくるようだ。ゆっくりと、海岸の方へ向かう。

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 ここはニューカレドニア?それともタヒチ?(って、どちらにも行ったことないけど)。

 バルセロナのウォーターフロントは、ここ数年見違えるほど美しくなった。1992年のオリンピックを機にマリーナなどが整備され、最近まで何もなかった東側の海岸も、砂浜に沿って散歩道ができた。

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 雨上がりで水たまりだらけながら、ほとんど人通りもなく、気持ちよく走り続けることができる。

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 マリーナも、まだ眠っている。

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 散歩道の反対側は、こじゃれたレストランやショッピングセンターが並んでいる。建物の上に、巨大クジラを発見。

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 正面に回ると、こんなふうに羽根(ひれ?)を広げている。

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 港にゆらゆらと浮かんでいる、等身大のオブジェ。

 5kmほど走ると高速道路の入り口に出てしまい、市街地の方へ引き返す。有名なコロンブスの像のある広場まで戻ってから、中心部のランブラス通りのゆるい上り坂を上って行く。

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 パリでは見ないような、大道芸人たち。ペダルを漕ぎながら、いただいたばかりのお足を勘定していた。

 やっぱりバルセロナに来たからには、と・・。

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 サグラダ・ファミリア教会に。道行く人に何度も場所を訊ねながら、なんとか到達。前回の訪問は、もう5年前になる。あの頃に比べ、さすがに「育ってる」ようだ。

 ホテルまで戻ったら、ほぼハーフ分の21kmちょっとだった。時間にして、2時間10分ほど。本番もこんな感じで、のんびり走ればいいのかな。



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2008年2月 5日 (火)

タパスじゃなくて、タペス。

 今夜も、グラノレスの目抜き通りに繰り出す。やはり歩行者天国になっているのだが、歩いている人たちが昨晩よりずっと弾けてる。

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 たとえば、こんな感じ。この晩からグラノレスは、カーニバルモードに入ったらしい。女性力士はまだ何とか正視できるとして、左のガウン着物白塗り女はいったい何?(拡大して、不気味さを堪能して下さい)

 他の仮装は、魔法使い風とかミュージカル「キャッツ」風とか。その中でスモウトリは人気のようで、彼ら以外にも何人か見かけた。僕ら東洋人を見つけると、「あっ」とか、ちょっととまどったりしてる。別にかまいませんヨ。日本文化で盛り上がってくれて、大変うれしいです。

 それにしてもこの着ぐるみ。レンタルなんだろうか。家に置いとくとすごくかさばりそうだし、カーニバル以外に着る機会など、そんなになさそうだけど(へその細工に、作り手の観察力の鋭さを感じる) 。

 ・・さて、夕飯である。きのうの「パン・コン・トマーテ」はすでに長蛇の列。お腹もそんなに空いてないので、タパス屋のカウンターで済ますことにする。店の写真を撮り忘れたが、看板にはTAPASではなくTAPESと書いてある。ここもカタルーニャ語表記なのだ。

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 今夜はワインじゃなくてビールにしたら、カウンターの上がみんな黄色系になってしまった。ビールから時計回りに、鱈のコロッケ。フレンチフライにパプリカ入りマヨネーズをかけた、パタタ・ブラバス。そしていかリング。

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 お腹空いてないといいながら、メニューにチピローネス(小魚のフライ)を見つけて、注文。これまた黄色系。

 9時過ぎに入った時は、カウンター周辺はすし詰め状態だった。でも食べてるうちに、どんどん空いていった。みんなこれから、レストランへちゃんとした食事をしに行くのだろう。僕らはもちろん、このまま帰って寝る。日本人の淡泊さと、彼らの濃厚さの違いを、いっそう感じるひととき・・。



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2008年2月 4日 (月)

行列のできるスペイン料理店。

 金曜日の夜8時。グラノレスの目抜き通りは、歩行者天国になっていた。

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 ブレブレ写真で、恐縮です。杖をついてる老人から、よちよち歩きの幼児まで、けっこうな数の人々が、ぞろぞろと歩いてる。別に何をするでもなく、ただ通りのあっちまで行っては、またこっちまで戻ることを繰り返している。

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 目当ての店は、まだよろい戸が閉まっていた。8時半の開店まで、みんな辛抱強く立ったまま待っている。PA AMB TOMAQUETというのはカタルーニャ語で、スペイン語(カスティーリャ語)だとPAN CON TOMATE。トマトを塗ったパンという名前の店である。

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 その名の通り、席に着くとすぐにトマトをすり下ろしてオリーブ油で和えたものと、紙に包んだパンを持って来てくれる。これで各自、パン・コン・トマーテを作って、料理が来るのを待つという趣向。トマトが信じられないほど甘い。

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 ワインも最初から、500mlのボトルがテーブルの上に置いてある。これがほんとの、テーブルワイン。口の中でぱちぱちと細かく弾ける感触が、心地よい。子供たちが飛び跳ねてるような、楽しいワインだ。

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 この三角形の紙がメニューになってて、その中に布ナプキンが入ってる。これまたカタルーニャ語一辺倒。でも頼めば、英語メニューも持って来てくれる。

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 店内はカジュアルな雰囲気ながら、ゆっくり落ち着ける。この奥にも大きな部屋があるが、すでに満席。僕らが食べてる間も、外で待ってる人々は増えるばかりだった。

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 前菜は、ちびイカの揚げたのを3人で分けた。香ばしい。あっという間に完食。

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 僕のメインは、豚足。軟骨と脂肪がおいしいけど、2足はちょっと多かった。

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 同席者が注文したのは、カタルーニャ風の雑炊というのか、南仏でよく食べる海の幸のスープに、ご飯をぶち込んだもの。シェフが自ら出向いてきて、給仕してくれる。

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 デザートは、「マジョルカ島のタルト」というのを注文。中のアンコが、マーマレードになってるのが、マジョルカ風ということかも。他にエスプレッソを注文して、ひとり17ユーロ。十分満ち足りました。

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2008年2月 3日 (日)

カタルーニャを走る。

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 グラノーレス(Granollers)は、バルセロナから北へ20kmほど行ったところにある。こぢんまりとして、風情のある町である。

 目抜き通りをまっすぐ走っていくと、すぐに町から出てしまう。

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 桜?ではない。おそらく、アーモンドの木ではないかと。

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 こちらは、隣町の村役場。かつては、教会だったのかも。正面の建物をはさんで、右側が男子小学校、左側が女子小学校と壁に刻まれている。でももうとっくの昔に共学になって、学校としては使われていないようだ。

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 直訳すると、「公立小学校男子部」となるのか。男の子は「ニーニョ」、女の子は「ニーニャ」という語感が、スペインの子供たちそのままに可愛い。

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 その広場にあった、群像彫刻。最初は闘牛かと思ったけど、どうも違う。固まりのエネルギーが、こちらにズシンと伝わってくる。造形は、ちょっとピカソっぽい。

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 どうやらこの日は、まもなくマラソン大会が開かれるらしい。そのコース上を僕は走っているらしく、そのうちウォームアップ中の参加者と何人も行き合った。

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 準備中の給水所。ミネラルウォーターの箱が、延々と並んでいる。いったい、何人走るんだろう。

 ホテルに戻ってシャワーを浴びて、さあ出かけようとしたら、なんとホテル斜め前の駅がスタート地点で、道路はまさに封鎖されようというところ。お巡りさんに怒られながら、クルマで脱出したのでした。


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2008年2月 1日 (金)

10年ぶりの、人間ドック。

 ・・正確には、15年ぐらい経ってるかもしれない。前回は脂肪肝という結果が出て、ゲッ、もう受けるの止めようと、知らないフリをしていたのだった。

 でも今回は、義父の申し出をありがたく受けさせていただいた。クリニックの所在地は、台東区根岸。渋い。確か正岡子規が、終焉を迎えた地。そして林屋三平一家の所在地でもある。

 診療所自体は、待合室など高級ホテルのロビーのような雰囲気で、看護婦さんたちの物腰もあくまで低い。人間ドック業界も、競争が激しいらしい。

 その診察結果が先日、パリまで送られてきた。脂肪肝も消滅し、他の数値も日常生活には支障のないレベルだった。そんなさまざまな測定値の中で、やはり走る人としては、「肺機能」が気になった。

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 でも、よく見方がわからない。肺活量は、年齢からすれば標準より少し上か。本当は運動中の酸素摂取量など知りたいところだが、それはドックでは無理。まあ現時点で健康だから、よしとしよう。以前は慢性の気管支炎で、冷気の中をちょっとでも走ると激しく咳き込んだりしたけど、それもなくなったし。ランニング仲間も、できたしね。

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