最後の喫煙者。
娘をバレエ教室に送って行き、終わるのを待つ間カフェにいた。カフェにのんびり坐るのは、ずいぶん久しぶりの気がする。今までは入ろうかなとドアを開けても、充満するタバコの煙に退散させられたことが何度もあったのだ。
でもうれしいことに1月1日からは、レストランもカフェも全面禁煙になっている。あのゴロワーズとジターヌの国フランスが!「ウチに来れば、好きなだけ吸えまっせ」と、レジスタンス活動をしているカフェのオヤジもいるようだし、サルトルの有名なポートレイト写真からタバコだけ消去したりといった行き過ぎも出てるけど、個人的には禁煙措置は大賛成だ。
それでも吸いたい人たちは、寒空の下テラスに出るしかない。オフィスやブティックも禁煙だから、店の外で従業員たちがたむろして、煙をくゆらせてる。高校生が校門の外で吸ってるみたいで、あまり見栄えのいいものではない。くわえタバコで歩く人も、増えたような気がする。
筒井康隆の大好きな短編「最後の喫煙者」の世界が、いよいよ現実化するのだろうか。恐いような、見てみたいような・・。
(読んでいない方のために簡単に紹介すると、世界的な禁煙運動の中、地球最後の喫煙者となった「おれ」が、国会議事堂のてっぺんに座り込み、自衛隊ヘリの催涙弾攻撃を受けながら、TV生中継の中、壮絶な最期を遂げる、という話です。新潮文庫「夜のコント・冬のコント」に入ってます。)
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