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2008年1月

2008年1月31日 (木)

最後の喫煙者。

 娘をバレエ教室に送って行き、終わるのを待つ間カフェにいた。カフェにのんびり坐るのは、ずいぶん久しぶりの気がする。今までは入ろうかなとドアを開けても、充満するタバコの煙に退散させられたことが何度もあったのだ。

 でもうれしいことに1月1日からは、レストランもカフェも全面禁煙になっている。あのゴロワーズとジターヌの国フランスが!「ウチに来れば、好きなだけ吸えまっせ」と、レジスタンス活動をしているカフェのオヤジもいるようだし、サルトルの有名なポートレイト写真からタバコだけ消去したりといった行き過ぎも出てるけど、個人的には禁煙措置は大賛成だ。

 それでも吸いたい人たちは、寒空の下テラスに出るしかない。オフィスやブティックも禁煙だから、店の外で従業員たちがたむろして、煙をくゆらせてる。高校生が校門の外で吸ってるみたいで、あまり見栄えのいいものではない。くわえタバコで歩く人も、増えたような気がする。

 筒井康隆の大好きな短編「最後の喫煙者」の世界が、いよいよ現実化するのだろうか。恐いような、見てみたいような・・。

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(読んでいない方のために簡単に紹介すると、世界的な禁煙運動の中、地球最後の喫煙者となった「おれ」が、国会議事堂のてっぺんに座り込み、自衛隊ヘリの催涙弾攻撃を受けながら、TV生中継の中、壮絶な最期を遂げる、という話です。新潮文庫「夜のコント・冬のコント」に入ってます。)


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2008年1月30日 (水)

オックスフォードを走る。

 1時間の時差というのは、意外にしんどい。イギリスに渡って最初の朝は、6時半にばちっと目が覚めた。ヨーロッパ時間のパリは、もう7時半になる。

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 外はまだ、薄暗い。白樺の木々が、パリよりずっと高緯度にいることを改めて教えてくれる。

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 7時半頃から、オックスフォード市内に向けて走り出す。ホテルの前のラウンドアバウトは、すでに通勤のクルマで身動き取れなくなっている。1kmほどは舗道もなく、排気ガスが充満している中を通り抜けた。

 オックスフォードの姉妹都市は、オランダのライデンやドイツのボン、スペインのレオンなどであることを知る。日本にも、ありそうだけど。(写真を拡大してよく見たら、レオンはスペインの方じゃなくて、ニカラグアだった・・)

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 住宅街に入った。自転車で走り抜けていく、少年たち。この子たちは私服だったが、制服姿の中高校生の多いのが、懐かしいというか、フランスと違うところだ。

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 これも懐かしい風景。日本ではすっかり見かけなくなったこの種の郵便ポストが、まだ現役で働いている。色違いながら、スペインやポルトガルでも遭遇した。ルーツは、どこなんだ?

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 中心部に到達。この町を訪れるといつも、圧倒的な石の固まり感を感じる。

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首をかしげてる街灯。

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 出勤前の人々に交じって、老人がひとりで朝食を摂っていた。

 ホテルからここまで、5kmほど。ちょうどいい具合の、朝のジョギングだった。

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2008年1月29日 (火)

ミもフタもないワイン。

 イギリス・オックスフォードの町外れのホテルに着いたのは、夜9時過ぎ。周囲には何もないし、街中まで出かけるのもちょっとメンドくさい。それでホテルのレストランで、食事をすることにした。

 スペインならこれから夕食の始まる時間帯だけど、イギリスではもう十分に遅い。だから食事は、サラダだけ。ワインは、オーストラリア・リンデマンズのシラーズ2006年を注文した。

 ごく大衆的なワインだけど、そこは何事も仰々しいイギリス。ソムリエがうやうやしく持って来て、「これでございますネ」と確認を求める。「はい」とうなずいて、同席者とのおしゃべりに戻ったら、直後にはグラスにワインが注がれていた。

 「え?」と思ってボトルを見て、納得した。オーストラリアワインに多い、スクリューキャップなのである。ソムリエはただキャップをクルクルと回して開け、注いだだけ。早いはずだ。

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 コルクと金属製のキャップとで、長い時間をかけての熟成がどう違ってくるのか、実際のところは僕にはわからない。でもソムリエがコルクを開けるまでの、あの独特の期待感。軽くコルクの匂いをかいでる間の、こちらの気分の昂揚。そういうのはスクリューキャップでは、望むべくもない。

 まさかソムリエが、キャップの匂いをかぐわけにも、ねえ。

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2008年1月28日 (月)

パリにも夕焼けはある?

 「ヨーロッパでは、日本のような燃え上がらんばかりの夕焼けは観られない」。僕はずっと前から、そういう印象を持っていた。少なくともヨーロッパのあちこちで得た経験では、淡い色にしか染まらない夕焼けばかりだったのだ。でも日本から来る友人知人は、日本風の派手なヤツを、「あそこで見た」「ここで見た」と、目撃談を語る。そのつど僕は、「信じないもんね」と言って来たのだが・・。

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 どうもこのところ、形勢不利なんである。昨晩のパリも、完全に三丁目の夕日化していたし・・。

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 友人宅の窓から見た、夕焼け。日本ではありふれた風景かもしれないが、こちらではごく珍しい(ほんとだってば)。

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 その数日前の夕暮れ。この程度の夕焼けが、昔は精いっぱいのはずだったんだけどね・・。

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2008年1月27日 (日)

パリの朝は、タコぶつサラダで始まる。

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・・・そんなわけは、ない。

 きのうの晩、魚屋の店先に並んでいたこのサラダがあんまりおいしそうで、買って帰った。そして朝、ちょっとつまんでみた次第。朝食はごく普通に、ミューズリーに牛乳とヨーグルトをかけたのを食べた。

 こういうタコサラダはイタリア食料品店にもよく出ているけど、こっちの方がずっと新鮮で、値段も2分の1ぐらいだった。時々、二切れがつながってたり、口に入るのか心配になるくらい巨大なのがあったりする、豪快なぶつ切り。でも塩加減はちょうどいいし、いっしょに漬かってるピーマンとタマネギとの相性もいい。

 昼食は、このタコと、いっしょに買ったニシンのマリネと、お稲荷さん。ほぼ消化した頃合いを見計らって、走りに行く。

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 日曜日は9時から5時まで、セーヌ川沿いの自動車専用道路が歩行者天国になる。今日はまずまずの天気だったので、散歩する人、走る人、自転車に乗る人、ローラーブレイドで走る人でごった返していた。

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 マイペースで、太極拳にいそしむ人たち。やっぱり中国人じゃないと、見ていてサマにならない(左から2番目のご婦人は、そうかな)。でも去年上海に行った時、公園に集まっていた人々は、朝っぱらから社交ダンスを踊っていた。ジャージーとか着て。あっちはあっちで、奇妙だった。サンパウロで見た、日系のオジサン、オバサンたちのラジオ体操が一番自然で、風景に溶け込んでたと思う。



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2008年1月25日 (金)

またも、タパスにひたる。

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 これだけ見ると、どこかの日本料理店みたい。

 でもこの料理、ヴァレンシアのタパス屋で注文したもの。Tempura de verduras(野菜の天ぷら)とメニューにあったので、注文した次第。ちょっと衣がべたついてるけど、まあ天ぷらだった。小さな器に入ってるのが、天つゆじゃなくて醤油だったのも、許容範囲内。人参とピーマンだけながら素材は新鮮で、人参がものすごく甘い。

 戦国時代、キリスト教の宣教師たちによって伝えられた料理が、イベリア半島に里帰りしたことになる。すでに日本風のカステラ屋さんは、リスボンにあるし(こちら)。

 調子に乗って、Tataki de Atun(マグロのたたき)というのを注文したら・・。

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 出てきた瞬間、明らかにハズレと確信する(涙)。このあたりが、スペインにおけるジャポニスムの限界なのかもしれない。

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 でもこれらの日本(風)料理が、こういう純粋タパス屋のメニューに載っているのである。しかもヴァレンシア郊外の、巨大ショッピングモールの中のごく普通の大衆的な店で。

 先週滞在していたスペインの深南部ヘレスに比べると、ヴァレンシアはずっと外に向かって開いているのかもしれない。それにしてもほんの10年前のスペインでは考えられなかったことで、ちょっと感慨無量。

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 もちろんこんな、伝統的タパス料理もある。手前が「パタタ・ブラバス」というジャガイモを揚げたのに、パプリカ風味のマヨネーズをたっぷりかけたもの。奥のオリーブは、種をくりぬいてアンチョビが詰めてある。ヘレスで食べたのと違ってしっかり漬かってて、発酵したアンチョビがなれ鮨のような味わい。

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 グラスワインを注文すると、カウンターに並んでる中から、「どれにする?」と訊いてくれるのもうれしい。僕は右側のティント・クリアンサ2004年を1杯注文。安くて華やかで、楽しいワインだった。



 

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2008年1月24日 (木)

ヴァレンシアを走る。

 と言っても今回は、ヴァレンシア市内ではなく郊外に宿泊中。周りは工場地帯で、その合間に巨大ショッピングセンターと草地という、ひたすら殺風景な景色が広がっている。

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 ピレネー山脈を越えると、道路沿いの看板が一気に野放しになる。夏には海水浴場で大音響の音楽が鳴ってるのも、日本に似ている。

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 午前7時半。だいぶ日が長くなって来た。

 ALという文字が頭につく言葉は、多くがイスラム起源だという(ここで3つぐらい例を挙げたいところだが、ALCOHOLしか思いつかない)。この看板に見える地名も、イベリア半島が15世紀以前にイスラムの領土だった頃の名残だと思われ。

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 通勤を急ぐクルマの排気ガスを浴びながら走っていると、ようやく集落らしいところにたどり着く。線路をまたぐ、巨大歩道橋。このつづら折りを人々は毎日、左右左右と往復しながら向こう側に渡っているのだろうか。

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 街はまだ薄闇の中に沈んでいて、時おり散歩する老人に出会うばかり。

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 通りの名前の表示や、民家の正面がしゃれたタイルで飾られている。もしかしたらこの辺りは、タイルの産地なのかもしれない。

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 とりとめもないジョギング噺に、なってしまいました。

 

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2008年1月23日 (水)

つくづく偉大だった、1990年。

 ブルゴーニュにとって1990年という年は、実に偉大なヴィンテージであった。あれから20年近くが経ち、熟成を重ねてきたあれやこれやを味わうたびにそう思う。あの当時、それがちゃんとわかっていたら、もっといろいろ買い込んでいたのに。・・などと思っても、あとの祭りである。とはいえわが家のささやかな品揃えの中にも、幸いなことにまだ何本か残っている。

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 M師匠がパリに「里帰り」した折りには、シャブリ、シャルム・シャンベルタン、リシュブールの1990年そろい踏みをしたこともあった。シャブリは、ウィリアム・フェーヴルの「レ・クロ」。今ではシャブリを代表する作り手だが、当時はまだ確か、パリのワイン市でも買えたと思う。

 このワインの印象があまりによく、去年の夏あらためてシャブリ村まで買い付けに出かけた時のこと。「オステルリ・デ・クロ」というホテルを予約して行ってみると・・。

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 なんとラベルに描かれてるのと、同じ建物だった。この手前がウィリアム・フェーヴルの敷地で、その一部を買い取って、ホテルにしたということのようだ。われわれは右側の建物の2階の部屋に泊まった。雰囲気や調度の割りに、値段が良心的なので、シャブリ村訪問の折りには、ぜひオススメです(こちら)。

 偶然とはいえ浅からぬ因縁を感じ、翌朝さっそくフェーヴルへ。この10数年ですっかり値段も上がっていたので、最初は一級畑あたりを少々買うつもりでいた。でもシャブリAOCから一級、特級と次々と試飲させてくれるものだから、いやでもあとになるほど良くなって行くのがわかる。イスタンブールのじゅうたん屋のオヤジと、やり口は同じだなあと思いつつ、すっかり術中にはまって、またもレ・クロを買ってしまったのであった。

 やはり当たり年と言われる、2005年。「20年後も楽しめますヨ」と言われたけど、こちらがその前に熟成しきってしまいそう。(新しいラベルが、名前だけの素っ気ないものに変わってしまったのは残念)。


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2008年1月22日 (火)

再び、パリのカモメの話。

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 ノートル・ダム寺院の裏を回って、マリー橋を渡る。数年前まで岸恵子さんの住んでいたアパートの前を通り過ぎて、シテ島へと向かう。

 ほぼ無風で、1月下旬なのに本当に暖かい。

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 チュイルリー公園に、再突入。

 去年の暮れ、パリのカモメの話を紹介した時(こちら)、「パリでもヴェニスでも、ハトや他の鳥とキッチリ棲み分けができている」と書いた。ところが公園の大噴水では、カモメとハトと鴨が、共存しているではないか。多分に、エサにつられていっしょにいるようではあるけれど。

 そういえば東京に住む畏友N氏から、「ゆりかもめは、都鳥の別名ですヨ」とやんわり指摘された。「名にしをはばいざ言問わん都鳥……つうてね、PARISにしあれど和歌のココロを忘れてはいけませんぞ」と。

 電車の「ゆりかもめ」ではなく、都鳥を引き合いに出すべきであった。

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面目ない!

 ちなみに在原業平が「名にし負わば・・」の歌を詠んだ場所は、実は言問橋付近ではないんだそうな(こちら)。

 

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2008年1月21日 (月)

生ハムとチーズと、白ワイン。

 スペイン土産に、セビリア空港で生ハムの固まりを買って帰った。ドングリだけを食べて育った豚(ほんと?)で作る最高級のハモン・イベリコにはとても手が出ず(1kg1万円ぐらい)、格下のハモン・セラーノにした。エサが何なのかは、知らない。

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 ハムだけでは淋しいので、フランス・アルプス近くで作られるコンテチーズの、18ヶ月熟成したのも添える。あとはジャガイモやブロッコリー、人参を茹でて、マスタードで食べる。

 さてワインは、何にするか。

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 セラーの中に、1993年のシャサーニュ・モンラシェ(ブルゴーニュの銘醸白ワイン)を発見。一級畑のレ・ヴェルジェールである。しかし情けないことに、いくら考えても、いつどこで買ったのか思い出せない。ミシェル・コラン・デルジェという造り手の名前も、全然ピンと来ない。

 ちなみにお正月に呑んだシャサーニュは、赤(「年末年始は、こんなの呑みました」)。本来は、こちらの白で有名なワインである。

 とはいえもう15年も経ってるし、盛りは過ぎてるかと思われた。

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 ところが黄金色の液体はあくまで澄んで、きらきらと光を跳ね返している。グラスを静かにまわすと、ワインの「涙」がゆっくりと内側を滑っていく。

 最初に口に含んだ時は、アルコールが強くてバラバラな感じがした(アルコール分は13,5%、白にしては強い方)。でもしばらく置いておくと、一口ごとにまろやかになっていく。十分な熟成と同時に、驚くほどの張りも感じられる。色と香りは、ソーテルヌのよう。後味は、いつまでも苦味が残る。でもコンテといっしょだと、その苦味がウソのように消えてしまう。生ハムも悪くないが、コンテとの相性はこれ以上はないほど抜群だった。

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 デザートは娘が生まれて初めて作った、フルーツのヨーグルト和え。不揃いに切ったリンゴやミカンやバナナが、ヨーグルトと蜂蜜とブルーベリージャムにやさしく包まれていた。



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2008年1月20日 (日)

中華もいいけど、ヴェトナムもね。

 と書いたけれど、実はパリの中華料理屋はその大部分がベトナム中華(現地邦人いうところの『ベト中』)である。両者をキッチリ分けるのは、なかなかむずかしい。

 もともとインドシナ半島には、華僑がたくさんいた。そしてヴェトナムは長い間フランスの植民地だった経緯から、第二次大戦以降、インドシナ戦争、ヴェトナム戦争の戦乱を逃れて、ヴェトナム人や華僑がどっさりフランスに渡ってきた。そんな彼らが中華料理屋を開けば、どうしても中華とベトナムの折衷になるわけだ。

 とはいえパリ13区のチャイナタウンには、純粋ヴェトナム料理屋も少なくない。以前もお世話になったミニコミ誌「フランス・ニュースダイジェストのレストラン紹介欄に出ていた店が、すごくおいしそう(こちら)。それで週末の晩、近所の2家族と総勢9人で繰り出した。

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 テーブルが3列、30人も入れば一杯になってしまう店内。中華との一番の違いは、店の人の愛想が格段にいいことだろうか。

 前菜のひとつ、ヴェトナム風ラビオリ。豚のひき肉や野菜を、米粉で作った生地で包んで蒸した一品。湯通ししたモヤシが、下に敷いてある。上のハムみたいなのは、魚肉ソーセージ(かな)。甘辛いソースをかけて、いただく。ヴェトナム屋ではよくある前菜だけど、蒸した生地のとろけ具合が抜群で、この界隈では一番おいしかった。

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 続いてこの店の名物という、汁なし中華麺。レストラン紹介で「温かい冷やし中華」と書いてあったけど、まさにそんな感じ。いっしょに小さなスープが付いてくるが、それを掛けるわけではない。

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 なぜかエビの尾頭のくっついてる巨大かき揚げを持ち上げると、レタスがびっしり敷いてある。その下にエビや焼き豚がどっさり。そして最後に、カキ油ソース主体のソースに絡まった麺が詰まっている。これらをしっかりかき混ぜて、食す。

 確かにおいしいけど、ちょっと脂っこいかな。インスタントヤキソバのような麺も、個人的には米麺(ビーフン)の方が好みかも。

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 その意味では、汁なし中華麺の汁入り(?)とも言うべき、こちらのサイゴン風ラーメンの方がおいしかった。米麺も魚介類のダシで取ったスープも、あっさりしている。上に乗っかったかき揚げが、食べてるうちに溶けてきて、たぬきのような風情を醸し出すのもいい。

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 デザートはゼラチンてんこ盛りのココナツジュース。これも、いい。

 この店の料理は、「絶品〜」と叫びたくなるような、華々しいものではない。でもじわっと、身体に沁みてくれる。本来はヴェトナムのねっとりとした湿気の中で食べるものなんだろうけど、寒いパリにもよく似合う。ほんわりと暖まった身体で、僕らは家路に着いたのだった。



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2008年1月18日 (金)

柿の種・・。

 秘蔵の柿の種を食べながら原稿を書いてたら、前の席からヌゥ〜っとゴツイ手が伸びてきた。「うまそうだなあ」とか言いながら、10粒あまりをかっさらっていく。

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 フランス人のフリーカメラマン、チエリー。救急車の運転手から、今の職業に転身したという変わり種である。柿の種は生まれて初めて食べたようだが、どうやら気に入ってくれたらしい。あんまりウマイ、ウマイというものだから、明日の分にと取って置いたもう一袋を進呈する。

 そしたらそれもまたたく間に食べてしまい、こっちを向いて人懐こそうにニッコリ。何だか大型犬に見つめられてるような、妙な気分になった。

 「パリだと、どこで買えるのかなあ」と相当の入れ込みようなので、日本食料品店の名前を教えてあげる。今後フランス人社会で、爆発的に売れたりして。よかったね、亀田製菓さん。

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 こちらは、N女史のデスクの上。これみんな、彼女の携帯電話なのである。別にその筋の人でも、株のディトレードをしまくってるわけでもない。取材で使うというんだけど、こんなに必要か?でも確かに、ひっきりなしに電話が鳴りまくってるし、彼女からも掛けまくってる。毎月の使用料は、空恐ろしくてここには書けないぐらいの金額を言っていた。一種の職人気質というか、ただの病気か・・。

 


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2008年1月17日 (木)

ブドウ畑は、どこに?

 今までヘレスを走るたびに、いったいブドウ畑はどこにあるんだろうと不思議に思っていた。シェリー酒工場はあちこちにいやになるほど建ってるのに、原料供給元の姿が見えないのだ。それで今朝は、見つかるまで走り続ける決心をする。

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 工場地帯が途切れた辺りは、こんな殺風景な景色。

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 そのうちようやく、朝もやのアンダルシア平原が広がってきた。でも依然として、ブドウ畑は見えない。(拡大すると、けっこうきれいです)

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 もうそろそろ帰ろうかと思い始めた頃、ようやく出てきてくれた。丘の上の、冬枯れたブドウ畑。

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 近寄ってみると、冬だからというだけではない、荒れ果て感が漂っている。杭があっちこっち向いてたり、根っこがむき出しになってたり。フランスのきちんと手入れされたブドウ畑を見慣れた目には、ちょっと異様な感じだ。

 シューズの底にこんもり泥が付着して、畑から出た直後は身長が2cmは高くなっていた。その後いくら走っても、なかなか取れてくれない。おかげで粘土質の土壌だということは、よぉ〜くわかった。

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 道端の菜の花は、もうすっかり蕾がふくらんでいる。やっぱり、南国なのである。


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2008年1月16日 (水)

再び、ヘレスを走る。

 朝8時過ぎ、ホテルから走り出す。1ヶ月前に比べると、外はすっかり明るくなっていて、日が長くなりつつあることを実感する。

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 暮れに来た時にも貼ってあった、スペイン・サンタンデル銀行のポスターに今回も遭遇。なんだかな〜と思ってしまう。なぜそう感じたのかを、F1に興味のない人にも説明すると・・。

 まず右の若者は、2005,2006年にルノーで世界チャンピオンになったフェルナンド・アロンソというドライバー。スペイン初のF1チャンピオンである。 そして彼は去年、ライバルチームのマクラーレンに移籍したのだが、チームメイトのルイス・ハミルトンが予想外の大活躍をしたこともあって、チームと大げん かして古巣のルノーに戻ってしまった。

 それが去年の秋の話。それなのに、このポスターのアロンソは、まだマクラーレンのユニフォームを着ている。サンタンデル銀行は、今年もマク ラーレンとのスポンサー契約がある。本来ならこういうことは、禁じ手である。まあヘレスあたりの田舎なら、ルノーも大目にみてくれると思って、貼ったままにしているのだろうか。

 ちなみにこのポスターは当初、アロンソとハミルトンの2ショットだった。ところが二人が不仲になってから、同じスペイン人のテストドライバー、ペ ドロ・デ・ラ・ロサに差し替えられたという経緯がある。わざわざ撮り直したのではなく、パソコン上で作り替えたという話。そういう諸々が、なんだかな〜なのだ。

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 旧市街を抜けて、殺風景な工場地帯に入って行く。高架下にべたべたと貼られ、はがれかけたポスターが、風景にいっそうのわびしさを添える。これはヘレスに巡業 に来たサーカスのもの。Gottani(ごった煮)というくらいだから、さぞかし色んな出し物を詰め込んだサーカスだったと思われ。

(・・・。)


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2008年1月15日 (火)

タパスをつまんで、ちょいと一杯。

 暮れに続いて、またヘレスに来た。セビリア空港への着陸直前、気温13℃という機内アナウンスが流れる。でも外に出ると強烈な日差しで、汗ばむくらいの陽気だった。

 とはいえ日が落ちると、急速に冷えてくる。そんな時に店から漏れるオレンジ色の暖かい灯が恋しくなるのは、世界中どこにいても同じだ。旧市街をあちこち歩き回ってから、一軒の居酒屋に入り、カウンターに腰掛ける。すでに9時を過ぎていたが、店は開いたばかりという感じで、客は僕だけだった。

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 まずはリオハを、一杯注文する。するとすかさず、大粒のオリーブを付き出しで供してくれた。漬物でいうと、かなり浅漬けの感じ。固くて青くてしょっぱいけど、ワインによく合う。

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 少し遅れて、パンが出てきた。何てことないと言うか、見た目はむしろまずそう。でも写真ではわからないけれど、これが熱々でものすごくオイシイのだ。かりっとした表皮と、ふうわりと柔らかい中味。このパンとオリーブとワインがあれば、あとはもう何もいらない。

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 などと言ってるそばから、さらに生ハムまで注文してしまう業の深い私。さっきの熱々のパンにトマトを擦り込んで、その上に生ハムを載せてある。あっという間に完食。

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 このポテトサラダは、これでもかというほど生ニンニクが入っている。でも妙に後を引くおいしさで、お代わりしてしまった・・。ただしこれらはみんな、直径10cmほどの小皿です。念のため。

 4皿とワイン一杯で、10ユーロちょっと(約1600円)。満ち足りました。(いや、あとで思い返したら、5皿だった。安ぅ〜)


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2008年1月14日 (月)

北京からの年賀状

 先日こんな年賀状が、わが家に配達されてきた。

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 ネズミの一家が、饅頭を食べようとしているかわいい図柄。差出人は、現在北京に住んでいるはずの宮本さんという料理人である。

 宮本さんは、浜松で「静華」という中華料理店を営んでいる。正確には、「営んでいた」と言った方がいいだろう。去年の3月にいったん店じまいして、北京に修業に行ってしまったからだ。

 僕はこの店には、2度しか行ったことがない。最初は、ヤマハ発動機のK氏に一昨年の10月に連れて行ってもらい、あまりの美味しさと群を抜く創造性が忘れられず、その2ヶ月後に再度一時帰国した折りに、一族郎党を連れて再訪したのだった。

 残念ながら最初も二度目も、食べるのに夢中でろくな写真を撮ってない。この店の内装も手がけた建築家の伊禮氏が料理の一端を紹介しているので、ぜひ見ていただきたい。(こちら)

 宮本さんはすでに、50を過ぎていると思われる。それでも自分の料理の腕に飽き足らず、そして中華料理の深淵を極める思い止みがたく、店を閉めて北京に向かった。これまでもすでに何度か、そんなふうに中国各地での滞在を繰り返しているという。

 たとえばフランスの有名レストランの多くは、実際の料理作りは弟子に任せ、シェフが店にいないことはしょっ中である。宮本さんもそうしていれば、店を閉めずに済んだと思う。でも彼は、その選択肢を取らなかった。

 宮本さんが、どんな進化を遂げているのか。この3月に再開されるはずの新生「静華」に行くことが、今から待ち遠しくてしょうがない。

 

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2008年1月12日 (土)

もうひとつのジャン・ヌーヴェル

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 この週末は、珍しくよく晴れた。

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 そろそろ繰り出してきた観光客をかき分けながら、いつものコースを走る。今月は3割増しくらいの距離目標を設定したので、寒いから今日はやめよかな、なんて言ってると達成できなくなる。さいわい今日は暖かいし、風もほとんどなかったので、気持ちよく走ることができた。

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 茶畑みたいだけど、違います。

 それにしても男というものは、何か目標を掲げられると、それに向かってがんばってしまう生き物だと、つくづく思う。ぐうたらな僕でさえ、そうなのだから。そうやって科学が進歩したり、経済が発展したり、ついでに地球が温暖化したりしたのだろう。

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 今日はここまで足を伸ばして、折り返すことにする。アラブ文化センター。アラブ世界研究所と訳した方が、正確かもしれない。ケ・ブランリ博物館と同様、ジャン・ヌーヴェル設計の建物だ。

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 この建物の南側全面にある、あまりにも有名な窓。アラブ文様を模し、カメラの絞りのように太陽光線の強さに応じて、開閉される。

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 今の時期は、こんな展覧会をやっている。ここはいつも、展覧会のタイトルのつけ方がうまい。「アルファベットをわれわれにもたらした文明は、いかなる貌(かお)を持っていたのか」。思わず見に行ってみたくなるでしょ?(と思ってから、もうずいぶん経つなあ・・)



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2008年1月11日 (金)

前首相は、何を思う?

 今年も初出張は、ドイツ・ケルンへの1泊2日の短い旅だった。例年ならレンタカーで走って行くのだが、今年は初めて鉄道を選択してみる。フランス→ベルギー→ドイツと、3カ国を横切る行程だ。

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 ユーロスターの発着駅でもあるパリ北駅から出発する、タリスという国際列車に乗る。北駅といえば、逃亡中のジェイソン・ボーンが警官に見とがめられ、カーチェイスを繰り広げる発端になったのが、この駅前だった。(「ボーン・アイデンティティ」の主人公です)

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 ブリュッセル、リエージュを経由して、ケルンには3時間50分後に着く。ブリュッセルまではきわめて高速、順調なのに、それ以降は在来線の線路を使うので、スピードがガクンと落ちてしまう。日本の新幹線に比べると揺れがひどくて、読書やパソコンはちと目にツライ。ひとりで何もしないで約4時間の旅は、ちょっと退屈だった。

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翌朝、ホテルの部屋から望む、夜明けのケルン大聖堂。

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 一応、仕事もそれなりにこなし・・

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 帰りの列車では、ブリュッセルから見覚えのある人が、同じ車両に乗り込んできた。長身、痩躯。銀髪の後ろ姿を見ただけで、あれっと思い、改めて鋭い目つきの、バタ臭い写楽顔を見たらやっぱり。前首相のド・ヴィルパンだった。

 ほんの数カ月前までは、大統領候補とも言われていた人。でも在任中の失政が響き、さらにライバルだったサルコジを追い落とそうと、彼が贈収賄事件にかかわっているかのような証拠をでっち上げたとして(クリアストリーム疑惑)、事情聴取を受けている身である。

 もともとシラク前大統領の忠実な側近で、その意を酌んでがんばってしまったようだ。しかしおかげで失脚し、政治生命もほぼ終わったと思われている。今後、塀の中に入ってしまう恐れすらある。

 ブリュッセルから乗ってきたのは、EUの所用だったのか。SPと夫人がひっそりと付き添っていた。もしかしたら、ファーストレディになっていたかも知れないこの女性は、サルコジ前夫人と違って物静かで、車中でも夫の向かいに坐ってほとんど言葉を発しなかった。

 乗客たちは、もちろん彼の存在に気付いているはずだが、見て見ぬふりの大人の対応をしている。席から中腰でこっそりのぞいてるのは、僕ぐらい(もし嫁がいたら、並んで記念写真を撮って、サインをもらってたことだろう)。

 時々携帯が鳴って、前首相が答えていた。「いや、それはよくわかってる。しかし私も、毅然とした態度で対応するつもりだよ。それしかないじゃないか」。

 少し甲高いが、滑舌のいい声が車内に響き渡る。クリアストリーム関連?と思いたくなるような、緊迫した口調。そういう時だけは、知らん顔をしている他の客たちも、思い切り耳をダンボにするのであった。

 

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2008年1月10日 (木)

垂直庭園て、何?

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 入り口付近から見た、ケ・ブランリ博物館の外観です。

 ものすごく写真に撮りにくい建物、というのが第一印象。前面に透明な塀がそびえていて、一歩入ると雑草茂り放題の庭。そしてその先にある建物は、色とりどりのコンテナのような四角い箱がくっついている。奇妙キテレツだけど、周囲の景観にしっかり溶け込んでいるところはさすがだ。あるいはパリの街並みの方に、異物を受け入れる許容度が大きいということなのかもしれないけど。

 今回の昼食は日本人の建築家夫妻に付き合ってもらったおかげで、設計者のジャン・ヌーヴェルのこととか、他のフランスの建築家とか、いろいろ教えていただいた。

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 博物館の端っこにあるこの建物も気になっていたのだが、これまた有名なものなのだという。ジャン・ヌーヴェルの協力者のひとりであるパトリック・ブランという植物学者の「作品」(紹介ホームページはこちら)。

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 普通なら建物の壁を這うのはツタぐらいだけど、ここではシダとかコケが垂直に生えている。

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 「垂直庭園」と、いうのだそうな。世界中の植物の3割だか4割だかは、もともと崖とかの垂直な場所に生えている。だからこれも自然なこと、というのが彼の主張だとか。フランス人てほんとに、時々ユニークなことを考えつく人種です。



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2008年1月 9日 (水)

博物館最上階の、噂のレストランである。

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 今日のパリは、どんよりと曇っていた。気温は10℃くらいで、この季節にしては高い方なのだけれど、湿気が多いせいか歩いていて寒い。ピューピュー風の吹くセーヌ川を渡って、エッフェル塔のすぐ横に去年できたばかりのケ・ブランリ博物館へ向かう。セーヌ川沿いの、ジャン・ヌーヴェル設計の細長い建物。一見すると、雑草の生い茂った倉庫みたい。

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 シラク前大統領が創設に執念を燃やした、アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカの固有の文化、芸術を扱う博物館だ。でも今回のお目当ては、その最上階にある「レ・ゾンブル(影)」。レストランにしては、変わった名前である。

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 黒と茶色で統一された広々とした店内は、天井の鉄骨が異様な雰囲気。全面ガラス張りで、ぐるりとパリの街が見渡せる。テーブルもゆったり配置されている。僕たち以外の客は、男女ともほとんどが黒っぽいスーツを着たビジネスマンだった。おかげで店の中は、よけい暗くなった。

昼のコースは前菜、メイン、デザートで、37ユーロ。

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 まずは、海の幸のリゾット。お米さん、どこへ行ってしまったの、としばらく探さなければならないほど(ウソ)、上品な一品。でも茹で加減も味付けも、素晴らしい。

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 嫁の選んだこの前菜は、見ただけでは得体が知れない。トピナンブールという芋の一種(ネットで調べたら、菊芋と出ていた)のスープ。真ん中に突き出ているのは、半熟ゆで卵。自分の皿を僕に味見させてくれない場合、ものすごくうまくてあっという間に平らげてしまうか、大したことないかのどちらかだ。今回は、後者だったみたい。

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 メインは、子羊の肩の肉を煮込んだもの。見た目に、かなり難あり。最近のおしゃれなフレンチは、みんなこの手の真っ白なお皿を使いたがる。「ZEN(禅)」とか言って。でもこの料理にこの皿は、まったく合わないのだ。食欲を減退させる盛り付けである。完食したけど。

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 ワインリストにこれを見つけて、迷わず注文した。大好きなPerrot-Minotの、シャンボール・ミュジニー1999年。古木のブドウから作ったもの。ただ呑んでみると、ちょっと陰気な女になっている。本当は、こんなではないはず。貯蔵状態を疑りたくなった。

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 デザートは、米を牛乳で甘く煮込んだリ・オ・レ。これは当たりでした。下半分は、すっぱいレモンゼリーになっていて、リ・オ・レだけでは単調になってしまうのを救ってくれている。

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 食後のカフェは、こんなカップで出てきた。ソーサーに乗ってると普通の大きさだけど、実は乗ってるのではなく、埋まってるのである。右側は、取り出したところ。だから予想よりたくさんコーヒーが入ってて、ウレシイ。


 このレストラン、眺望も素晴らしいし、一度はいいんじゃないかな。

 

 

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2008年1月 8日 (火)

フランスにもある、新年の「儀式」。

 超満席の飛行機で、折り重なるようにしてパリに戻ってきた。自宅到着後、成田で義父母からいただいた鯖の棒寿司をつまんで、夜8時前にはバッタリ。午前4時には目覚めてしまう。

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 さて、これは何でしょう。発掘現場は、こちら↓。

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 フォークで突っつきまくって美しくないので、小さな写真で。そして発掘前は、こんな感じ。

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 最近は日本でも、ケーキ屋さんに並ぶようになったそうな。ガレット・デ・ロワ(galette des rois)という名前のパイ生地のケーキで、中は普通、マジパン(アーモンドの粉末や卵、砂糖で作ったアンコ)が詰まっている。

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 こんな感じ。で、その中のどこかに、さっきの発掘品が埋まっている。

 フランスでは新年になると、エピファニー(公現祭)という祭りを祝う。カトリックの場合、幼子イエスの誕生後、東方の3博士が訪問したことを記念して、ミサを行う。でもそういう宗教的な意味は今ではすっかり薄れ、家族みんなでこのケーキを切り分けて食べ、誰が中からこの宝物を掘り出すかを競うゲームになっている。

 もともとは、ただのソラ豆(feveフェーヴ)を入れてたらしい。だから今でも、これはフェーヴと呼ばれている。でもこのフェーヴ、どんどん派手になってきて、無数のバリエーションが登場し、フェーヴコレクターもたくさんいる。フェーヴだけ別に売ってるケーキ屋も、少なくない。

 そしてこのフェーヴを探し当てた人は、買った時に付いてくる王冠を被り、相手となる王子様、あるいは王女様を指名する。

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 苦節ン年、今年は嫁が初めて射止めたのであった。


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2008年1月 7日 (月)

皇居を走る、謎の中年ランナーたち。

 自動車レースの最高峰F1に、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)というF1レーサーたちをメンバーとする組織があることは、つとに有名である。一方、GPRA(グランプリ・ランナーズ・アソシエーション)の存在は、ごく一部の関係者にしか知られていない。

 というのも会員は世界中で7人ほどしかいないし(全員日本人だし)、そのうちフルマラソン経験者が二人だけという弱小クラブだからである。

 とはいえ名誉会長には片山右京を戴き(まだ本人には声も掛けてないが)、今後は現役F1ドライバーも次々に入会してくれることになっている(はずだ)。

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 暮れの30日、メンバーの半数以上(僕を入れて4人)が集結し、皇居を走る走行会を敢行した。出走前の緊張感が、彼らの表情からうかがえる(ぜひ拡大してご覧いただきたい)。

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当日は、昼過ぎまで雨の降るあいにくの天候だった。しかし幸い走り始める頃には、黒雲がどんどん風に流されて行った。

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 ここは、何門というのだろう。無知でスイマセン。お堀に映るシルエットが美しい。ここまで来る頃には空は清々しく晴れ渡り、メンバーたちのペースも上がる。

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 力走するO(その2)会員。彼は秋に富士スピードウェイで行われたハーフマラソンに出場し、かなり快調なペースで走っていたのだが、ゴールまでわずか数百メートルの地点で、突然脱水症状に見舞われてリタイヤを余儀なくされた。今年の箱根駅伝往路での、順天堂大の選手と同じ悲劇である。

 「やっぱりマラソンは恐いよな。のんびりやろうヨ」などと誓い合って、走行後、神保町の中華で打ち上げをしたメンバーたち。ところがO(その1)会員は、新年早々Nike+iPodの設定をフルマラソンにして、単独42,195kmを走り切ってしまったそうな。無謀だ。おかげで僕もそれに触発され、半ば発作的に3月のパリハーフマラソンにエントリーしたのだった。


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2008年1月 6日 (日)

年末年始は、こんなの呑みました。

 偶然というのはあるもので、暮れの1日、渋谷西武の地下2階にあるワインショップで時間をつぶしていたら、パリ在住のカメラマンSさんとバッタリ。お互いに、「ここで何してんの?」と言い合ってしまう。

 Sさんとはパリにいても、一年に一度会うか会わないか。それがこんなところで会ってしまうのは何かの因縁だろうと、午後4時過ぎから3時間近くも、ショップのカウンターでいろんなワインを試し飲みしては、話し続けた。

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 で、その合間に買ったのが、これ。ラランド・ド・ポムロールという産地は、ボルドーでは辺境に位置し、少し前ならいいワインなどできるはずはないと言われていたものだ。でも近年は、ポムロールの本家に負けない品質のものがどんどん出ているとか。

 このシャトー・ル・マノワールは、レグリーズ・クリネという凄いポムロール(名前だけで呑んだことはない)の醸造長を務めたジャン・クロード・ジローが独立して造っているという文句に引かれて、約4000円で購入。正月に義母の得意料理のひとつ、とんかつと結婚させた。

 メルロー75%とのことだが、まだ若いせいかカヴェルネ・ソーヴィニオンの風味が優っていた。もう2,3年したら、ポムロールらしいふくよかな優しいワインになってることだろう。

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 大晦日は、すき焼きの伴侶にこれを呑んだ。ルロワのシャサーニュ・モンラシェ1990年。ただし赤ですが。

 パリの有名なワインショップ「ラ・ヴィーニャ」で購入して、はるばる日本まで運ばれてきたもの。義父のリクエストで20年ほど前のビンテージを探したのだけれど、あまり適当なものがなく、これに落ち着いた。

 赤のシャサーニュとはいえルロワだから、おかしなものであるはずはない。90年だし。複雑精妙さにはやや欠けるものの、ブルゴーニュらしい陰影を十分に楽しんだ。相手がすき焼きでは、下町に嫁いだお嬢様という感じだったけど・・。

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 むしろ義母が広州旅行の際に買ってきた、この10年ものの紹興酒の方がピッタリだった。熟成したシェリー酒と同様の味わい。原料は一方がブドウ、こちらはもち米。熟成方法も樽と瓶という違いがあるのに、この似通い方はほんとに不思議だ。


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2008年1月 4日 (金)

大井川で走り初め

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 大井川にかかる蓬莱橋(ほうらいばし)までは、実家から500mぐらい。一応、「木造橋としては世界一の長さ」ということで、ギネスブックに登録されているそうな。

 この橋を渡りきると、前方に見える牧ノ原台地にたどり着く。もともとは、茶畑へ農作業に向かう人たちのための橋だった。入り口には料金所があって、歩行者は100円徴収される(通行できるのは歩行者と自転車、原付だけ)。

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 でも秋の台風で橋げたが流出してしまい、いまだに途中までしか行けない。「通行止め」の字体は奥ゆかしいけど、これで通常料金を取るのはいかがなものか。

 この橋では、よく時代劇の撮影も行われる。

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 ただし度重なる流出のため、今や橋げたはほとんどコンクリートになってしまった。だからアングルに気をつけないと、木造じゃないことがバレてしまう。

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 走り初めの今日は、蓬莱橋から河口の方へ向かった。

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 何かよほど頭に来たことでもあったのか、6km付近の距離標識には同一人物によるものと思われる悪口雑言が、表と裏両方に書かれている。「バカヤロー」だったり「コノヤロー」だったり、標識ごとに文句を変える芸の細かさ。できればもうちょっと、気の利いた言葉にしてほしかったけど。

 それにしてもこの人は、マジックを持って走っていたのだろうか。

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 新幹線の鉄橋近くに群生していたススキ。この日は、16kmを走った。


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2008年1月 3日 (木)

正月といえば、凧揚げなわけで。

 年始の挨拶に、ふたたび島田の実家へ。朝食を済ませ、のんびり箱根駅伝の中継を眺めていると、「凧揚げに行くゾ〜」という、姪のダンナの号令。子供たち7,8人ほどとわらわらとワンボックスカーに乗り込んで、大井川べりに向かった。

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 ものすごい強風に加え、洋風の凧なものだから(昔ゲイラカイトと言ってたやつの子孫?)、小さな子供でも簡単に揚げることができる。生まれて初めてだった娘も、あっさり揚げられた。僕も数十年ぶりに挑戦した。

 

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 糸を全部出し切り、満足感に浸りつつ写真を撮っていたら、真っ逆さまに墜落してしまった。でも和風凧と違って、どこも壊れてない。かえって、味気ないかも・・。

 

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2008年1月 2日 (水)

初詣で。

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元旦は春風亭小朝の独演会を聴いてから、

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 水天宮にお参りするのが、ここ2年ほどの恒例行事になっている。今年の独演会では、前座に林屋一門の二つ目が出ている。小朝の噺を聴いていて、同時代の落語家だった桂三木助のことを思い出したりした。

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 夕食は、ホテル内のレストランで会食料理をいただく。満席なのに仲居さんの数が明らかに少なく、かわいそうにパニック状態になっていた。冷たいかき揚げが出てきたりしたけど、それを除けば美味しゅうございました。



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