パスタとソーテルヌの幸福な結婚
夕食は、トマトパスタを作ることにした。妻子が帰ってくるまで1時間ほどしかないので、ソースは手抜きで(って、ほとんどいつも手抜きだが)。
まず、タマネギのみじん切りに取りかかる。大玉4個でひとしきり涙を流してから、それでも炒めるのだけは弱火でじっくりじっくり。ブイトーニ社の即席バジリコ入りトマトソースをふた瓶投入し、瓶に残ったソースを紹興酒でこそげ取り、30分ほど煮詰める。ズッキーニとマッシュルームを別にフライパンで炒め、ツナといっしょにソースに加える。固めにゆでたパスタにたっぷりかけて、具だくさんのトマトパスタのできあがり。
前菜は、昨日スーパーで安かった生ハム。さて、何を合わせるか。今夜は1,2杯も呑めば十分な気分だったので、普通より一回り小さい500ccボトルのソーテルヌを開けることにした。
ソーテルヌはボルドーの極甘口ワインで、果皮に付いた特殊な菌の作用で干からび、糖度が飛躍的に増したブドウから作られる。これがあればデザートは要らないというくらい甘い。でもフォワグラやチーズにも実によく合うし、肉や魚料理にも合わせることは可能だ。
セラーから出してきたのは、先日行ったワイン市で購入した、2000年のシャトー・デュドン。「この年は9月まですごくよく日が当たって、葡萄の成育は完璧だったんですよ。でもいざ摘み取り始めたら、長雨に祟られて・・。前半に収穫した葡萄は大丈夫だけど、後半はダメ。だから2000年は生産量は少なくなってしまったけど、品質自体は素晴らしいの」。
というのが、ブースにいたマダムの説明だった。
生ハムはまだしも、トマトパスタとは必ずしも完璧な結婚とは言えなかった。でも十分幸せな気分にさせてくれた。まあ人生でも幸福な結婚が、必ずしも完璧なそれとは限らないわけで・・。
このシャトー・デュドンは格付けされてるわけでもなく、ほとんど無名といっていいソーテルヌである。でも相性がいいというのか、ワイン市に行くとついここで買ってしまう。50clで1本16ユーロ(約2600円)という値段も、ソーテルヌにしてはかなり良心的だと思う。コルクも長期熟成に耐えるよう木目が細かく詰んで、この値段にしては長めのものを使ってるのも、好感が持てる。
「50年後も楽しめるワインですヨ」と、マダムは言ってくれた。残念ながら50年後の僕はこのワインを楽しんでる状況にはいないだろうけど、13年後の娘の成人には何とかなるかな。
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コメント
いつ伺ってもおいしいお食事とワイン、楽しい話題を提供してくださり時間を忘れるお宅ですが、今回は、妻子が帰ってくるまでに、ってところに感動してしまいました。ウラヤマシ~。
投稿: しろみ | 2007年12月13日 (木) 08時00分
わ〜い、コメントうれしいな。どうもありがとうございます。
どうもサーバーの不具合か何かで、コメントをせっかく送ってくれようとしても、うまく行かないケースが多いみたいで。
しろみブログも好調ですね。
投稿: ムッシュ柴田 | 2007年12月13日 (木) 09時02分